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OKWave、声で質問・回答できるQ&Aアプリ、友達申請で特定の人に直接質問も

 株式会社オウケイウェイヴは16日、ユーザー同士が質問・回答を音声で投稿して問題解決するQ&Aアプリ「OKWave Talk」を提供開始した。Android 2.3以上に対応しており、iOS版は今冬提供予定。

 相談者がアプリの「相談する」ボタンをタップして質問を録音・投稿し、ほかのユーザー(回答者)が投稿された質問一覧から、気になる質問の音声を再生して回答を投稿する。質問・回答ともに一度に3分まで投稿可能。

音声投稿型Q&Aアプリ「OKWave Talk」
アプリ内の「相談する」ボタンからマイクボタンを押すだけで録音できる

簡単に投稿・回答できるQ&Aアプリ

 オウケイウェイヴの武内一矢氏(OKWave Innovation Center センター長)は、OKWave Talkの利用シーンとして、文章説明するほど考えがまとまってない場合や、悩み相談で対面で相談したいが適当な人がいない場合のほか、OKWaveで多く見られる「あのCMのあの曲なんでしたっけ」など、音声ならではの質問ができるとしている。

オウケイウェイヴの武内一矢氏(OKWave Innovation Center センター長)
文章では投稿しづらい質問を音声で相談できる

 相談者と回答者とのやり取りは1対1で行われ、OKWave Talk上に公開される。やり取りは、ほかのユーザーも閲覧できるが、会話には介入できず、回答する場合は、新たに質問者と1対1のトークが開始される。質問には性別や年代などの条件が指定でき、その条件に沿ったユーザーに質問が届く。例えば「同年代に相談を聞いて欲しい」といった使い方ができる。

相談者と回答者のやり取りは1対1
会話することで相談事の解決を図る
「OKWave Talk」の会話画面
質問には性別や年代などの条件が指定できる

 気になる回答者を見つけたら「友達」申請を送ることができ、3人までの特定のユーザーに対して直接質問できる。現時点では、友達ではないユーザーに直接質問を送ることはできず、一度友達になった後に質問する必要があるが、回答者が不特定のユーザーからも直接質問を受けられる設定を追加予定としている。なお、相談者と回答者以外閲覧できないプライベート設定も、ニーズがあるとして検討中とのこと。

気になる回答者に友達申請できる
以前質問した回答者に再度質問できることで、相談者の現状を把握した上で回答できる

 気に入らない回答者からの投稿の通知を受け取らないようにできるミュート機能が用意されており、質問者がミュートを設定していても、回答者側は通常通り投稿されるため、ミュートされていることは分からない。

 また、ユーザーによる投稿の評価機能を実装しており、「いいね!」の代わりに、「スッキリ」を表すレモンのアイコンが投稿に表示され、相談者やほかのユーザーがボタンを押すことでスッキリ数がカウントされる。ベストアンサー機能は実装されていないが、武内氏は「会話の中で言葉としてお礼を言っていただくのが一番」としている。

 不適切な投稿については、ユーザーからの通報を受け付けるほか、質問・回答の投稿をバックグラウンドで自動的にテキストに変換し、独自のアルゴリズムで検出する。また、音声翻訳機能の実装を予定しており、日本語のまま海外から回答を募集したり、外国人が日本の事について日本人へ回答を求めるといった使い方ができるようになるという。

 OKWave Talkの対象ユーザーは、10代から20代のスマートフォン利用率が高いユーザーをメインターゲットとしており、2015年3月までに5万ダウンロード、月間アクティブユーザーで1万人を見込んでいる。


9月24日にはOKWaveのリニューアルを予定

 記者発表会では、オウケイウェイヴ代表取締役社長の兼元謙任氏が登壇し、ユーザー投稿型Q&Aサービス「OKWave」の現状を報告した。

 OKWaveは、Q&A提携ネットワーク数、CRMソリューションシェアともにトップ。月間訪問者数は4000万人以上で、3000万件以上のQ&Aデータベースを保有している。また、世界展開も進めており、昨年5月には米Daviaのデジタルグリーティングカード事業を買収し、1200万件のユーザーデータベースを利用したメールマーケティングを北米で展開している。

オウケイウェイヴ代表取締役社長の兼元謙任氏
「OKWave」の月間訪問者数は4000万人以上
「OKWave」に蓄積されたQ&Aデータベースは3000万件以上
昨年5月に米Daviaのデジタルグリーティングカード事業を買収

 また、3000万件以上のQ&Aデータベースを分析することで、ユーザーの多種多様な生活の悩みが浮き彫りになるという。その悩みを企業とともに解決し、商品を展開したりデータの取得を始めている。また、分析をまとめた情報をインフォグラフィックとして公開している。

3000万件以上のQ&Aデータベースを分析する「OKWave総合研究所」
分析をまとめたインフォグラフィックを公開している

 9月24日にはOKWaveをリニューアルする。Q&Aに特化した上でスマートフォンへの強化を図るほか、動画などマルチメディアにも対応する。なお、OKWave Talkは、スマートフォンの利用者が急増している状況を鑑みて、スマートフォンに特化したサービスとして企画。音声ならではのカジュアルなコミュニケーションを中心とすることで、OKWaveとの住み分けを行っている。

9月24日に「OKWave.jp」をリニューアル
Q&Aに特化するほか、スマートフォンに最適化する

 兼元氏は、OKWaveを15年運用してきた上で、インターネット初期に比べると、良い心をネットに載せると広がりやすくなったと感じているという。インターネットが助け合いのインフラとして利用できるようになり、人が持っている良い部分を繋げていきたいとした。

(山川 晶之)