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NTTドコモの冬春モデル、VoLTE/ハイレゾ/CAのほかLTE&Wi-Fi同時接続に対応

子供向けの腕時計型3G端末も

 株式会社NTTドコモは30日、2014年冬~2015年春に発売する新機種と新サービスを発表した。既存サービスも一部強化している。

スマートフォン全機種がVoLTEに対応

 発表された新機種は、Androidスマートフォン7機種、タブレット2機種、フィーチャーフォン3機種、キッズケータイ1機種、モバイルWi-Fiルーター2機種、腕時計型端末1機種の計16機種。

 スマートフォンでは全機種で「VoLTE」に対応しており、クリアな音声通話をはじめ、高精細な映像と高音質な通話でのビデオコールが可能になる。また、電話をかけた時に流れる呼び出し音を任意のメロディに変更できる「メロディコール」が、VoLTE対応機種からの発信時に高音質で聞けるようになった。

VoLTEの導入により音声周波数帯域が拡大

 モバイルWi-Fiルーター2機種は「LTE-Advanced」をサポート。複数の周波数帯域をまとめて通信速度を向上するキャリアアグリゲーション(CA)に対応しており、「2GHz+1.5GHz」「1.7GHz+800MHz」の2パターンで下り最大225Mbpsで通信できる。一部のスマートフォンとタブレットでは、LTE回線とWi-Fiの同時接続による高速ダウンロードのほか、Wi-Fi弱電界などLTEとWi-Fiが行き来するシーンにおいて途切れないスムーズな通信を実現した。

キャリアアグリゲーション対応モデルは下り最大225Mbpsの高速通信が利用できる
Wi-FiとLTE回線の同時利用により高速ダウンロードが可能になる

 ホームアプリ「docomo LIVE UX」がクラウドに対応。ホーム画面のレイアウトをバックアップすることで、機種変更などで変更前と同じレイアウトを復元できるほか、複数台のスマートフォンやタブレットを利用している場合、ダウンロードしたアプリのアイコンが自動で共有される。

ホーム画面のレイアウトをクラウドにバックアップ

 また、すべてのスマートフォン/タブレットでハイレゾオーディオに対応。音楽CD(16bit/44.1kHz)を超える音質(24bit/96kHz以上)での再生に対応する。また、自分撮り(セルフィー)需要の高まりから、すべてのスマートフォンと一部のタブレットでインカメラを強化。豊富なインカメラアプリを搭載するモデルや、広角レンズを採用したモデル、パノラマ撮影に対応したモデルをラインナップする。

CDよりもサンプリング周波数と量子化ビット数が大きいハイレゾ音源の再生に対応

トレーニング支援サービスやLTE対応車載端末など

 フィットネスアプリを提供するRuntastic社と共同開発したトレーニング支援サービス「Runtastic for docomo」を12月より提供。スマートフォンなどの対応デバイスを身に付けてランニングやサイクリングなどトレーニングすると、GPS位置情報などを元に、運動時間や距離、ペース、消費カロリーを計測する。データはクラウド上に蓄積され、アプリなどから確認できるほか分析やコーチングを受けることができる。

 Runtastic for docomoは、株式会社ゴールドウインが販売するウェア型デバイス「C3fit IN-pulse」に対応。C3fit IN-pulseは、着用するだけで心拍数などの生体情報を取得できる機能素材「hitoe」を使用している。専用のトランスミッターとスマートフォンを連携することで、正確な心拍数を計測できる。

「Runtastic for docomo」利用イメージ

 エージェントサービス「iコンシェル」「しゃべってコンシェル」の機能を12月より拡充。iコンシェルでは、利用履歴からユーザーの好みのコンテンツを学習し、位置情報の解析を強化することにより最適な情報を通知するほか、「ひつじのしつじくん」からユーザーに対して質問を投げかけ、その質問に応えることでユーザーの好みやプロフィールを学習する機能を追加した。しゃべってコンシェルでは雑談機能を強化。「しゃべってキャラ」を含めて連続した会話に対応した。

 また、親子向けのサービスとして「ドコッチサービス」を2015年3月より提供。GPSセンサーなど各種センサーを搭載した腕時計型3G通信端末「ドコッチ 01」を子供が身に付けることで、保護者は子供の現在地や子供の活動状況を把握できるほか、保護者のスマートフォンから一定距離離れるとスマートフォンと腕時計に通知する迷子防止機能を利用できる。子供側は、ワンボタン通知機能やSMS送受信、位置情報通知機能を利用できる。発売は2015年3月予定。

子供向け腕時計型3G通信端末「ドコッチ 01」

 そのほか、LTE通信モジュールを内蔵し、クラウドサービスを活用する「ミラー型テレマティクス端末」をパイオニアと共同開発。「音声対話型ドライブエージェントサービス」により、ドライバーが必要とする施設や渋滞、天気、ニュースなどのリアルタイム情報を入手できる。また、車載フロントカメラを内蔵し、ドライブレコーダーや独自の画像センシング技術によるレーン移動検知、前方車両発進検知が可能となる。2014年度中に発売予定としている。

NTTドコモとパイオニアの協業により開発された「ミラー型テレマティクス端末」

新モデルをサラッと紹介

 サムスン電子ジャパンが提供するスマートフォン「GALAXY S5 ACTIVE SC-02G」は、米国MIL規格に対応した堅牢性が特徴。耐衝撃、耐温度、耐湿度、防塵、防水となっており、ふとしたアクシデントでも安心としている。手袋や濡れた手でも操作できるハードウェアキーを搭載する。バッテリー交換が可能。発売は10月4日予定。

MIL規格の堅牢性を誇る「GALAXY S5 ACTIVE SC-02G」

 同じくサムスン電子ジャパンが提供するスマートフォン「GALAXY Note Edge SC-01G」は、5.6インチの曲面有機ELディスプレイ「エッジスクリーン」を採用。ディスプレイの右端が本体側面まであり、曲面部分は着信や受信などの通知や操作ボタンとして利用できる。インカメラはF1.9の明るいレンズを搭載し、付属のペンで写真などにメッセージを入れられる。CPUは冬春モデル最速のAPQ8084(2.7GHzクアッドコア)を搭載。北米や中国などで利用されているTD-LTEに対応する。発売は10月下旬予定。

ハイエンドスペックに曲面有機ELディスプレイを搭載した「GALAXY Note Edge SC-01G」

 ソニーモバイルが提供するスマートフォン「XPERIA Z3 SO-01G」は、デジカメと同様の1/2.3型イメージセンサーを搭載し、最大ISO12800の高感度撮影に対応。電子式手ぶれ補正の搭載で、ブレを抑えた写真や動画が撮影できる。4K動画の撮影にも対応。また、ハイレゾ音源の再生や、圧縮音源の情報を補完する「DSEE HX」を搭載。ボディはIPX5/8の防水性能、IP6Xの防塵性能を有する。また、SO-01Gの機能を踏襲したまま小型・軽量を実現した「XPERIA Z3 Compact SO-02G」もラインナップされる。発売はSO-01Gが10月下旬、SO-02Gが11月中旬となっている。

高画質カメラに高音質テクノロジーを搭載した「XPERIA Z3 SO-01G」
SO-01Gの性能をコンパクトボディに凝縮した「XPERIA Z3 Compact SO-02G」

 富士通が提供するスマートフォン「ARROWS NX F-02G」は、フルHDより高精細な5.2インチWQHDディスプレイを搭載。富士通独自の「マルチコネクション」により、Wi-FiとLTE同時通信に対応。また、エンタメ機能も充実しており、デジカメと同様の1/2.3型イメージセンサーを搭載するほか、Dolby Audioで迫力のある音で視聴できる。本体は、3500mAhの大容量バッテリーや指紋認証センサーを内蔵。日本語入力は「Super ATOK ULTIAS」を搭載する。発売は10月下旬予定。

高精細ディスプレイに富士通独自のテクノロジーを搭載した「ARROWS NX F-02G」

 シャープが提供するスマートフォン「AQUOS ZETA SH-01G」は、狭額縁ボディを採用し、5.5インチディスプレイ搭載で幅76mmを実現。また、同社の人工知能「ココロエンジン」をベースにした「エモパー」を搭載。感情があるかのように話しかけてきたり周辺情報を提供する。カメラは、光学式手ぶれ補正のほか、リコー製デジタルカメラ「GR」の認証プログラムを取得。そのほか、ハイレゾオーディオ、フルセグ視聴・録画、Wi-FiとLTEの同時接続に対応している。また、SH-01Gをベースにしたディズニースマホ「Disney Mobile on docomo SH-02G」もラインナップされる。発売はともに11月中旬。

人工知能や高級コンパクトカメラ譲りのカメラを搭載する「AQUOS ZETA SH-01G」
SH-01Gをベースにディズニーのコンテンツを盛り込んだ「Disney Mobile on docomo SH-02G」

 富士通が提供するタブレット「ARROWS Tab F-03G」は、10.5インチWQXGA有機ELディスプレイの採用、高効率バッテリーの搭載で、10インチ以上のタブレットでは世界最軽量の433gを実現、防水・防塵にも対応した。富士通独自の「マルチコネクション」によりWi-FiとLTEの同時通信が可能。ヒューマンセントリックエンジンにより、ユーザーの年齢や周囲の環境に合わせて画面の色味を自動調整する。また、フルセグの視聴・録画機能や、日本語入力には「Super ATOK ULTIAS」を搭載する。発売は11月中旬予定。

10インチ以上のタブレットで世界最軽量を誇る「ARROWS Tab F-03G」

 サムスン電子ジャパンが提供するタブレット「GALAXY Tab S 8.4 SC-03G」は、8.4インチのWQXGA有機ELディスプレイを搭載。「SideSync」を搭載し、手元から離れた位置にあるGALAXYスマートフォンを遠隔操作できる。タブレットと一体となるBluetoothキーボードを搭載。Wi-FiとLTE回線の同時接続に対応する。発売は12月上旬。

高精細有機ELディスプレイを搭載した「GALAXY Tab S 8.4 SC-03G」

 ファーウェイ・ジャパンとLG Electronics Japanは、キャリアアグリゲーション対応で下り最大225Mbpsの高速通信に対応したモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION HW-02G」と「Wi-Fi STATION L-01G」を発表。また、パナソニックとNECがフィーチャーフォンの新機種「P-01G」「N-01G」を、富士通がらくらホンの新機種「らくらくホン ベーシック4」を、ファーウェイ・ジャパンがキッズケータイの新機種「HW-01G」を発表した。

キャリアアグリゲーション対応で下り最大225Mbpsを実現する「Wi-Fi STATION HW-02G」
同じく下り最大225Mbpsに対応した「Wi-Fi STATION L-01G」

 そのほか、ドコモがセレクトしたアイテム、アクセサリーを取り扱う「docomo select」のラインナップを拡充。ハイレゾ再生に対応したソニー製ステレオヘッドフォン「MDR-10RC」を10月中旬に、単体での3G通信が可能なサムスン電子製スマートウォッチ「Gear S」を10月下旬に発売する。

ハイレゾ再生に対応したヘッドフォン「MDR-10RC」
単体で3G通信可能なスマートウォッチ「Gear S」

(山川 晶之)