編集部コラム
職場・学校を映したSNS投稿、ユーザー自身の安全のため停止を。不適切な投稿による情報流出問題が続発
BeRealのほかInstagramなどでも、限定投稿を流出させる“模倣犯”出現の可能性
2026年5月1日 10:20
SNSで、企業の従業員がBeRealやInstagramなどのSNSに業務上の機密情報が写った写真を投稿した、との問題が複数指摘されています。これに関連し、仙台市や西日本シティ銀行では、不適切な投稿や情報流出についての発表を行っています。
緊急の対策として、職場・学校内で撮影した動画や写真のSNSへの投稿を禁止とし、声かけして周知することを推奨します。特にBeRealは、不適切投稿をシステムとして後押ししかねない構造になっています(詳細は後述)。
BeRealにおいてもInstagramにおいても、多くの問題は「友達限定の投稿」の内容が流出したと言われています。友達限定の投稿を流出させると大騒ぎになることが知られた現在、現在つながっている誰かが模倣犯となり、面白半分で同様に流出させてしまうおそれが高まっていると考えられます。
何より、ユーザーである自分自身の安全を守るために、「これまで問題なかったから」のように思わず、職場や学校での撮影・投稿は停止するべきです。
チキンレースの一面を持つBeReal
BeRealは2020年にサービスを開始したフランス発のSNSで、InstagramやTikTokといった映像を「盛る」SNSのカウンターとして、「盛らない」リアルを共有する、というコンセプトがあると言われます。
そのコアとなるシステムは、1日のランダムなタイミングで突然通知が来て、そこから短い時間の間(2分以内)に、スマートフォンの前後のカメラで撮影した「周りの様子」を投稿する、というものです。
時間が遅れても投稿は可能ですが、同サービスでのヘルプでは「投稿が遅かったことはお友達にバレてしまいます」「ご自分の投稿が完了するまで、お友達のBeRealやディスカバリーを見ることはできません。それがフェアというものです!」と、ペナルティがあることが説明されています。
ヘルプでは「リスクを冒してほしくはありません。 BeRealを撮るときは、どうぞ慎重に」との説明もされていますが、このようなシステムが、「どこまでブレーキをかけずにリアルを投稿できるか」という、一種のチキンレースのようなスリルをもたらしていることは、間違いありません。
今から最速で対策を
一定以上の年齢の方は、かつての「バイトテロ」問題を思い出したことでしょう。2013年、アルバイト従業員が勤務先の冷蔵庫に入った写真をSNSに投稿するなどの事件が連発し、「バイトテロ」との言葉がメディアを賑わせました。当時はSNSといえばTwitter(現X)が主流だったことから「バカッター」との言葉も生まれています。
INTERNET Watchでは、この2013年の9月に、デジタルアーツによるバイトテロ事件に関する記者説明会のレポートを掲載していました。この記事では「オープンなSNSに、LINEのトークなどと同じ内輪感覚で投稿してしまう」「若者と保護者や教育者の間で“インターネット”の認識に違いがありすぎ、モラル教育が追いついていない」と、2つの問題が指摘されています。
前者については、投稿者は「内輪」だと思っていたが誰かが流出させてしまう、ということで事情が異なる面もありそうですが、後者は、そのまま現在の問題にも当てはまると言えるでしょう。保護者・教育者の立場にある人が、次々と登場する新しいSNSのシステムを全て熟知しているわけではなく、また、知っていても「さすがに職場で撮った写真を投稿なんてしないだろう」と常識で考えるが、その想定を超える人は、どこかで出てきてしまう。また、友達限定の投稿をほかに流出させるという常識外の行動も取られているようだ――。
いずれにしても、事例が確認された時点で、最速で情報を共有し、対策を図ることがベターとなります。今はBeRealなどSNSそのものが「炎上」、ふた昔ほど前でいう「祭り」状態になりつつあり、騒動にいっちょ噛みしてやろうという模倣犯・愉快犯が増えかねない状況と見るべきです。
不適切なSNS投稿による情報流出は組織にも大きなダメージとなり、また、何より本人の人生を破壊してしまうことを周知する必要があるでしょう。

