ニュース

NTTら、グローバルファンド「IOWN AI Fund」と、運営会社Catalight Capital株式会社を創設

 NTT株式会社、ベンチャー投資家のYoung Sohn氏、AI事業等を手掛ける韓国の財閥SK Group、(以下、SK)、台湾の通信事業者である中華電信股份有限公司、株式会社日本政策投資銀行の5者は6月10日、AI時代の先端技術への投資を通じて、IOWNエコシステムの構築と新たな事業創出をめざす投資ファンド「IOWN AI Fund」を組成し、運営会社としてCatalight Capital株式会社を設立したと発表した。

 ファンド組成にあたり、AI基盤の姿が中規模なエッジデータセンターを含めた分散型の構成に移行していくと予想され、電力供給がより重要な課題となる中、分散型光AIデータセンターの実現が強く求められ、IOWNの役割は一層重要性を増していると、背景が説明されている。

 同ファンドは、フォトニクス、半導体、先端パッケージング、電力最適化、分散コンピューティング基盤、AIソフトウェアやアプリケーション領域といったIOWN関連技術を核とした幅広い先端技術への投資を通じ、IOWNエコシステムの形成による新たな事業創出を推進するとともに、次世代のAIインフラおよび産業基盤の形成に貢献することを目的とする。

 メンバーの5者は、次のように説明されている。

NTT
2019年にIOWN構想を掲げ、IOWN Global Forumを主導してきた
Sohn氏
シリコンバレーを拠点に光通信・半導体を中心としたディープテック分野での豊富なベンチャー投資や企業経営実績を持つ
SK
AI・半導体分野での技術革新や先端技術の社会実装をリードする
中華電信
NTTとのAPN実証等を通じてIOWNの国際展開を推進する
日本政策投資銀行
国内外の企業・プロジェクトへの成長資金供給やリスクマネー供給に豊富な実績を有する

 主な投資対象として具体的に挙げられているのは、次の内容。シリコンバレーおよび東京を拠点として、北米を中心にアジア・欧州を含む有望なスタートアップへの投資を推進し、ミドルステージを中心にアーリーからグロースに至る複数の成長段階の企業に対して投資と事業連携を行うことで、技術の実用化・事業化フェーズを重点的に支援しつつ、先端技術の発掘から社会実装・スケールまでを一貫して推進。IOWNとの連携によるAIインフラの高度化に加え、新たなサービスやビジネスモデルの創出を通じた産業機会の拡大を目指すとしている。

フォトニクス技術
光伝送、コヒーレント通信、光スイッチ等、データ伝送性能および電力効率の向上に資する技術
AI向け半導体・パッケージング
AIアクセラレータ(GPU/ASIC/NPU)、チップレット、3D実装等、高密度・高性能な計算基盤を支える技術
光デバイス・光電融合モジュール
レーザー、VCSEL、変調器などの関連技術
分散型AI基盤制御
電力効率の最適化、冷却技術(液冷等)、リソース制御など、データセンター/エッジ環境における運用効率と持続性を高度化する技術
ソフトウェア
クラウド、分散システム、AI基盤、データ処理基盤等のソフトウェア技術
AIモデル・推論
推論最適化(軽量化・量子化等)、学習アルゴリズム、分散学習などのAI関連技術
アプリケーション・サービス
医療、製造、金融などの産業分野におけるAI活用、ロボティクス、デジタルツイン、XR等の応用技術

 発表時点で同ファンドに関心を示す企業は世界で20社以上あり、ファンドの規模は約800億円(約5億ドル)となる見込みだという。