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「Office 365」加入者は「OneDrive」容量無制限に

 米Microsoftは27日、「Office 365」加入者全員の「OneDrive」容量を無制限にすると発表した。追加費用はなく、同日から「Office 365 Home/Personal/University」加入者を対象にロールアウトを開始する。ただし、ロールアウトには数カ月かかるため、一刻も早く利用したユーザーはOneDriveプレビューサイトでオプトインし、優先順位を早めてもらうことができる。

 一方、「OneDrive for Business」の提供はもう少し先になる。Office 365のロードマップにOneDriveの容量無制限機能追加を掲載し、将来のサービス提供を約束した。その上で、新機能をいち早く利用できる「Office 365 First Release Program」オプトイン加入者に対しては、2015年に事前通知をした上でOneDriveのアップデートを行うとしている。

「OneDrive」容量が無制限になるイメージ(OneDrive公式ブログより)

 Microsoftは6月にOffice 365加入者の無料容量を1TBに、一般利用者には無料容量を15GBに増量したばかりだった。

 発表文の中でMicrosoftのOneDrive & SharePoint担当コーポレートバイスプレジデントのChris Jones氏は「OneDriveをクラウドストレージの世界のリーダーにする」と宣言しており、その決意のほどがうかがえる。

 Microsoftの今回の発表により、クラウドストレージの利用料金は劇的に下がり、価格競争を行ってきた他社にも大きな圧力がかかりそうだ。

 米国では個人向けに提供されているOffice 365 Personalの月額費用は6.99ドル。この費用でWindowsとMacで使用できるOfficeスイート、iPadやWindowsタブレット、iPhone、Androidスマートフォン、Windows Phoneで利用できるOfficeアプリ、Skype通話60分、そして容量無制限のOneDriveが利用できることになる。

 他社のクラウドストレージサービスとしては、Googleが1TB容量を9.99ドル、10TBを99.99ドル、Dropboxは1TBを10ドルで提供している。Googleは「Google Drive」でブラウザーベースのオフィススイートを提供するが、実質的な業界標準である「Microsoft Office」が付いてくるわけではなく、Dropboxではそれすらも提供しない。今後、他社がどのような対応をするかが注目される。

(青木 大我 taiga@scientist.com)