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DNP子会社、BLEビーコンを使った測位SDK開発、複数ビーコンの電波を受信して測位、ビーコンの設置場所を事前に考慮せず利用可

 大日本印刷株式会社(DNP)の子会社である株式会社DNPデジタルコムは25日、岩手県立大学と共同でBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを利用した、ナビゲーションアプリや屋内測位機能向けソフトウェア開発キット(SDK)を共同開発したと発表した。同日より発売する。

複数のBLEビーコンの電波を受信し、それぞれの電波強度から現在地を測位する
吹き抜けや複雑な構造の建造物でも測位可能

 SDKでは、受信可能な範囲にある複数のBLEビーコンの電波をすべて受信し、電波強度の変化を正確に測定できる独自のアルゴリズムを採用。ユーザーが移動することで発生するそれぞれのBLEビーコンの電波強度の変化を計測することで、スマートフォン内の電子コンパスを利用せずにユーザーの進行方向を判定できる。

 また、建物の構造や人の動きなどで発生する電波のゆらぎなどに影響されず、吹き抜けのある空間や入り組んだ構造物の中でも高精度に測位できる。これにより、従来の単体ビーコンのみを使用した測位と比較して、安定したナビゲーションが可能だ。

 これまではあらかじめ電波状況を調査した上で測位用ビーコンの設置場所を決める必要があったが、同SDKでは調査無しで導入可能なため、導入時の事前作業負担が軽減されるとしている。

 測位SDKライセンス費用(税別)は、iOS/Androidともに1つのナビゲーションアプリにつき年間50万円。なお、同SDKは、すでに駅などの公共交通施設向けナビゲーションアプリでの採用が決定しているという。

(山川 晶之)