ニュース

グリー、住まいのオンラインショールーム「LIMIA」提供開始、500社以上の事業者・専門家が参画

 グリー株式会社は、7月にリミア株式会社を新たに設立し、住宅リフォームなど住まいや暮らしに関する情報を事業者・個人間で共有するウェブサービス「LIMIA」を11月5日に提供開始した。

5日に都内で開催した記者会見には、参画企業4社も出席。後列中央が、グリー株式会社代表取締役会長兼社長の田中良和氏

 LIMIAは住まいや暮らしに関する情報をPCやスマートフォンで共有するSNS機能も備えるウェブサービス。500社以上の事業者・専門家が提供する建築デザイン、リフォーム、インテリアなどの事例写真や記事が読める。また、LIMIA会員になることで、投稿・フォロー・コメント・評価・問い合わせなど会員同士のコミュニケーションのほか、80職種以上の住まいや暮らしの事業者・専門家への相談が可能。

 基本的なビジネスモデルは広告による収益。将来的には専門家・事業者とのマッチングサービスを提供し、その中で収益化を目指す。また、2018年6月期までにグリーの住まい事業全体で売上100億円を目指すとしている。

 グリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏は「住まい・暮らしに関連する市場は大規模かつ多岐にわたるが、EC市場における建設業のEC化率は低水準のため、住まい事業に参入する余地がある。インターネット化するのびしろがあり、参入することで業界の活性にもつながる。ネット証券など、昔ではオンラインで展開するはずがないと考えられていたものが常識になることがある。食べログのように一般のユーザーがネットを利用して情報を拡散・比較できるようなサービスにしたい」と述べた。

 また、先行したサービスとの違いとして、「外資系の企業に対して、ローカライズを強みにしたい。例えば畳の比較など、日本国内に需要があるものにおいて、日本ならではのサービスを提供できる」としている。

 LIMIAの参画企業の1社である株式会社サンゲツの岸本洋和氏は「これまで対企業への表現を用いて事業を展開してきたため、一般消費者に伝わらないことが課題だった。広くインテリアの需要喚起を行っていきたいという思いで参画する。なかなか表に出なかった良質な情報をLIMIAを通じて出していく」と述べた。

株式会社サンゲツの岸本洋和氏(マーケティング部リフォーム事業推進室長)

 住友不動産株式会社の三野嘉久氏は「耐震に不安のある顧客に向けて“新築そっくりさん”でまるごと工事をするサービスを提供してきた。しかし、新耐震の住宅が増え、顧客は大きな工事を希望することがなくなってきた。LIMIAが需要創出し、サービスの認知を高める対応を期待している」と述べた。

住友不動産株式会社の三野嘉久氏(事業部門担当副社長事務局副社長補佐)

 東京ガスリモデリング株式会社の久保田順一氏は「一般消費者もネット上で情報を獲得することが多くなってきた。住まいに関するマッチングサイトは多くあるが、ユーザー側は何をしていいのか迷ってしまう。その中でLIMIAがサイトの情報を分かりやすく整理することで、ユーザーがやりたいことを見つけ、行動に移せるようなサイトにしたい。30年手がけてきたリフォームのノウハウ、事例をサイトに発信することで、サイトの充実度をさらに高めてお互いに発展していきたい」と語った。

東京ガスリモデリング株式会社の久保田順一氏(取締役)

 株式会社日比谷花壇の内藤純氏は「リフォームや引っ越しなどの機会に花を購入する顧客が多い。リフォームをすると同時に花や緑を暮らしの中に取り入れる顧客が増えることを望み、それに関連する情報を発信する場として期待して参画した。また、多くの企業が参加しているため、横のつながりで新しいことができることを期待している」と述べた。

株式会社日比谷花壇の内藤純氏(執行役員法人事業部部長)

(磯谷 智仁)