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「ESET」「NOD32」の新バージョン「V9.0」が2月にリリース、これに先立ちモニター版の無償提供スタート

 キヤノンITソリューションズ株式会社は、スロバキアESET社製の個人・SOHO向けセキュリティソフトの新バージョン「ESET Smart Security V9.0」「ESET NOD32 アンチウイルス V9.0」を2016年2月より提供すると発表した。Windows 10/8.1/8/7/Vista/XPに対応する。

(左から)キヤノンITソリューションズ株式会社プロダクト企画センターセンター長の山本昇氏、ESETウイルスラボ責任者のユライ・マルホ氏、ESET ASIAセールス/マーケティングディレクターのパーヴィンダー・ワリア氏

 ESET Smart Security V9.0は、ウイルス/スパイウェア対策、バルナラビリティシールド、パーソナルファイアウォール、ホスト侵入防止システム(HIPS)、フィッシング対策、迷惑メール対策、ペアレンタルコントロール、盗難対策などの機能を備えた総合セキュリティソフト。

 ESET製品におけるウイルス検出方法の特徴は、独自技術によるヒューリスティックエンジンにある。マルウェアにありがちなコードを検出する「静的解析(プログラムコード解析)」、マルウェアにありがちな挙動を検出する「動的解析(エミュレーター)」、過去のマルウェアに似ていることを検出する「遺伝子工学的解析(ジェネリックシグネチャー)」という3つの機能により、「詳細な分析の実行と悪意のある振る舞いの特性を識別することで、新種のウイルスなどの脅威に対処する」。ウイルス定義データベースの容量が小さくて済むため、動作が軽快であることも評価されているという。

 新バージョンのV9.0では、「ボットネットプロテクション」機能を強化。PC上で動作するプロセスと外部の通信を監視してボットを検出する従来からの機能に加え、ネットワークシグネチャー(不正通信のパターンを定義したデータベース)にも対応。「悪意のある通信をより確実に検知し、遮断することができる」としている。

 また、インターネットバンキング被害の増加・拡大を受け、新機能「インターネットバンキング保護」を追加した。利用するインターネットバンキングやオンラインショッピングのドメインを登録しておくことで、それらのサイトにアクセスすると、キーロガー対策が施されたセキュアブラウザーが起動。キーボード入力したID・パスワードやクレジットカード情報などのデータが暗号化される仕組みだ。対応ブラウザーはInternet Explorer 8以上、Google Chrome 30以上、Firefox 24以上。

 ESET Smart Security V9.0は、キヤノンITソリューションズが2月に発売する個人向け製品「ESET ファミリー セキュリティ」「ESET パーソナル セキュリティ」と法人向けクライアント専用製品「ESET オフィス セキュリティ」に含まれる。

 一方、ESET NOD32 アンチウイルス V9.0は、ウイルス/スパイウェア対策を中心としたソフトとなる。インターネットバンキング保護、ボットネットプロテクション、バルナラビリティシールド、パーソナルファイアウォール、迷惑メール対策、ペアレンタルコントロール、盗難対策の各機能は搭載していない。キヤノンITソリューションズが2月に発売する法人向けクライアント専用製品「ESET NOD32 アンチウイルス」として提供される。

 キヤノンITソリューションズでは2月の製品版提供開始に先立ち、ESET Smart Security V9.0のモニター版プログラムを12月8日から2016年1月31日まで無償提供する(利用期限は30日間)。モニター版プログラムを使用し、1月31日までに評価レポートを提出したユーザーの中から抽選で100人に「ESET ファミリー セキュリティ」の1年間使用権を提供する。

【お詫びと訂正 11:55】
 記事初出時、新機能「インターネットバンキング保護」の対応ブラウザーについて「Internet Explorerのみ」と記述しておりましたが、Internet Explorerのほか、Google Chrome、Firefoxに対応しています。お詫びして訂正いたします。

(永沢 茂)