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Cerevo、言葉が話せない赤ちゃんの声から感情を読み取るクラウドマイク「Listnr」、API公開でさまざまな使い方も

 株式会社Cerevoは22日、音声から感情を認識して伝えるクラウド型スマートマイク「Listnr」を発売した。同社直販サイト「Cerevo official store」での価格は1万6900円(税別)。ツクモ電機でも取り扱いを開始する。

「Listnr」を手に持つ株式会社Cerevo代表取締役社長の岩佐琢磨氏

 Listnrは、インターネット接続機能を搭載したマイク。本体付近の音声を集音し、リアルタイムでクラウドにアップロードする。パナソニック株式会社が持つ音声認識エンジン「xauris」を採用し、専用サーバーで音の解析を行う。これにより、乳児が発する言葉にならない声から「泣いている」「笑っている」「怒っている」など感情を識別し、赤ちゃんの状況が把握できる。赤ちゃんの声が聴ける商品ではないが、家族の繋がりを感じられるものだとしている。

 xaurisは、パナソニックの研究所で開発されたもので、xaurisを使って何か作りたいという話からListnrのプロジェクトがスタートしたという。識別できる声に年齢的な縛りはないが、ユースケースを赤ちゃんに限定して開発を進めた。また、言葉をしゃべる前の赤ちゃんの声は全世界共通で、xaurisで同じように識別できるため、世界各国でも商品展開が可能。対象年齢は0〜2歳までだ。

言葉をしゃべる前の赤ちゃんの声から感情を識別する
音声認識エンジンはパナソニック株式会社の「xauris」を使用
開発者モードを用意。APIを公開し、Cerevoが用意した音声認識エンジン以外のサーバーにアクセスすることも可能
スマートフォンアプリから認識エンジンを追加可能

 声を8秒程度感知すると、録音データをサーバーに送信する。認識結果は、Listnr本体に内蔵されたLEDが点灯して知らせるか、スマートフォンアプリに通知する。通知頻度が多いことで起こる“ウザったさ”をなくすために、時間帯ごとにどのような状況だったかを表示する。インターネットへの接続はWi-Fi(IEEE 802.11b/g/n)を使用し、MicroUSBによる常時給電か、単三電池×2で動作する。電源が供給されると自動で電源が入り、モニタリングを開始する。

 また、Listnrの本体自体は、マイク、Wi-Fiモジュール、プロセッサーで構成されているため、汎用的なクラウドマイクとしても使用可能。開発者向けにAPIを公開しており、ユーザーが用意した音声認識エンジン搭載のサーバーを利用したり、音声認識以外にもマイクで集音したデータをサーバーに24時間送信することで、議事録用途などにも使えるという。

本体にLEDを内蔵しており、カラーや点灯パターンで赤ちゃんの状態を表示する
点灯パターン
スマートフォンアプリに表示された赤ちゃんの状態
電源はMicroUSBか単三電池×2を使用する

世の中の「あったらいいな」を具現化できる企業はあまりない

 Cerevoでは、Listnrのパナソニックのほか、IoTモジュールの「BlueNinja」に東芝製SoCを採用するなど、大手の電気メーカーや部品メーカーとのコラボレーションを進めている。Cerevo代表取締役社長の岩佐琢磨氏によると、今後大企業とハードウェアスタートアップとの連携は進むと読んでおり「軽快に動けるベンチャー企業と、圧倒的な資金力や開発力を持つ大企業がコラボすることで、新しいジャンルの製品を作っていける」と述べた。

 また同社は、机や植木鉢など電気が通っていないものを、スマートフォンやインターネットと連携するアプローチでモノ作りを進めている。岩佐氏は「アイデアには1円の価値もないという言葉もあるが、例えば前に立つと写真を撮って体調管理してくれる鏡というアイデアは以前から沢山存在するものの、ヨドバシカメラにそんな鏡は置いていない」と、誰もが想像するものでも実際に商品として世に出せる企業はあまりないと指摘。スタートアップならではの俊敏な開発能力を使って、世の中にない商品を出していくとしている。

(山川 晶之)