「ストリートビュー」にプライバシー保護対策を要請、総務省


 総務省は25日、「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」の第3回会合を開催し、Googleマップの「ストリートビュー」機能などのサービスに対する検討結果を第一次提言としてまとめた。研究会が6月にまとめた提言案に対しては、ストリートビュー画像の2次利用による人権侵害などへの対策を求める意見がパブリックコメントで寄せられたことから、それらの問題への対応が新たに盛り込まれた。総務省では、第一次提言に基づく取り組みをグーグルに対して要請するとしている。

 研究会の「インターネット地図情報サービスワーキンググループ」では、現時点でストリートビューなどの道路周辺映像サービスについては「個人情報保護法の義務規定に必ずしも違反するものではない」としている。ただし、写真の内容や写り方、撮影の様態によってはプライバシー侵害となる恐れがあることから、事業者に対してはカメラ位置など撮影様態に配慮すること、人の顔やナンバープレートにはぼかし処理などを施すこと、削除依頼に迅速に対処すること、対象地域の自治体に事前に連絡することなどを求めている。

 また、画像を2次利用してプライバシーその他の権利侵害が行われている場合には、プロバイダー責任制限法や電気通信関連業界が策定する「名誉毀損・プライバシー関連ガイドライン」などに基づく対応など、違法な2次利用の防止に取り組むことが重要であり、事業者には取り得る対応を検討することを求めている。

 提言では、道路周辺映像サービスは「試行錯誤の段階にあるサービスであり、必ずしもプライバシー・肖像権などの諸権利との関係を十分に整理し、社会的合意を形成した上で提供されてきたとは言い難い」として、事業者には十分な社会的合意を形成するための一層の努力が強く求められるとしている。

 研究会では今回の第一次提言に続き、行動ターゲティング広告などライフログ活用サービスについてのワーキンググループの検討結果を第二次提言に盛り込むとしている。


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(三柳 英樹)

2009/8/26 20:31