「Norton 2010」米国で発売、Symantec製品で過去最速・最軽量


 米Symantecは9日、「Norton Internet Security 2010」と「Norton AntiVirus 2010」を米国で発売した。マルウェア対策を強化したほか、これまでの同社製品の中で最高速・最軽量の製品になったという。

Nortonの米国版Webサイト

 「Norton Internet Security 2010」と「Norton AntiVirus 2010」には、新しいマルウェア探知モデル「Quorum」が搭載されている。「Quorum」では、ファイルのダウンロード源やデジタル署名、普及率など、数十の属性を測定。これらの属性は、Symantecが開発した複雑なアルゴリズムによって計算され、そのファイルの評価が決定される。ファイルの属性が1つでも変更されると、そのファイルの評価も変わり、結果として未知のファイルの危険性を判定しやすくしている。犯罪者はマルウェアを著しい速さで書き換えているため、セキュリティソフトではこのような未知のファイルに対処する仕組みが不可欠となりつつある。

 Symantecは、昨年のバージョン「Norton 2009」で、高速さ・軽さに重点を置いた。この方針は今回の「Norton 2010」にも引き継がれている。

 Symantecは、Passmark社に依頼してベンチマークテストを実施。テストは、Windows Vista Ultimate SP2(32ビット版)、Intel Core 2 Duoプロセッサ1.86GHz、2GBのメモリ、250GBのHDDといったシステムで行われた。この環境のもとで、「Norton Internet Security 2010」のインストールは約1分で終了。メモリ使用量は約10MB、HDDのスキャン速度は61秒、SSDでは31秒となっており、これまでで最速・最軽量だとしている。

 そのほかに、ダウンロードしたファイルの評価を行う「Norton Download Insight」、PCを最適化するために情報を表示する「Norton System Insight」、発見された脅威の出所を表示する「Norton Threat Insight」、Symantecユーザーコミュニティで発見されるファイルを統計解析することによってファイルの属性を特定しやすくする「Norton Insight Network」などの新機能も搭載されている。

 これ以外にも、ファイルの挙動によってマルウェアを認識する「SONAR 2」も搭載。さらに「Norton Internet Security 2010」には、新しくなった「Antispam」「Norton Safeweb」「OnlineFamily.Norton」などの機能が搭載されている。

 「Norton 2010」は、Windows 7/Vista/XPに対応しており、米国における小売価格は、「Norton Internet Security 2010」が69.99ドル(PC3台まで)、「Norton AntiVirus 2010」が39.99ドル。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/9/10 11:19