「Google Book Search」訴訟、和解案修正に向け審理延期を要請


 「Google Book Search(Googleブック検索)」の和解案について、Googleと米作家団体(Authors Guild)および米国出版社協会(AAP)は22日、10月7日に連邦地方裁判所で予定されていた最終審理の延期を求める申請を行った。

 Googleは米国の「Google Book Search」において、図書館との提携によりスキャンした書籍の全文検索・閲覧サービスを計画しており、これに対してAuthors GuildとAAPがGoogleを提訴していたが、両者は2008年10月に和解することで合意。和解が成立すると、米国のGoogle Book Searchでは、著作権保護期間内の書籍であっても、絶版または市販されていない書籍については全文の閲覧が可能となり、Googleは書籍の使用により得た収益の63%を権利者に支払うとしている。

 この和解案には「米国著作権を有するすべての人物が含まれる」とされており、著作権に関する国際条約「ベルヌ条約」により、米国外の著作権者に対しても影響があることから、各国の著作権者に対しても和解に同意するかどうかの意思表示が求められていた。

 この和解案に対して、各国で反対する著作権者や団体なども現れたほか、米国でも司書や法学者、出版社、AmazonやMicrosoftなどの企業が参加する反対団体「Open Book Alliance」が発足。9月18日には米司法省も、この問題を審理しているニューヨーク州連邦地方裁判所に対して、和解案を承認すべきでないとする助言を行ったことを発表している。和解案については、10月7日にニューヨーク州連邦地方裁判所で最終審理が行われる予定となっていた。

 Open Book Allianceが公表した文書によれば、GoogleとAuthors GuildおよびAAPは、これらの反対意見や司法省関係者との会合を受けて、和解案を修正することにしたため、10月7日の最終審理の延期を申請したという。Open Book Allianceでは、この延期申請について、「和解案が公益に反し、技術革新を阻害し、競争を制限するものだという懸念を抱いていた多くの人々や組織にとって、大きな勝利だ」とコメントしている。


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(三柳 英樹)

2009/9/24 19:34