過半数のドイツ人が、終業後も「コンタクト可能」


 独IT業界団体のBITKOMが調査会社ARISとともに14歳以上を対象に実施した調査によると、回答者の3分の2が通常の業務時間が終了した後もインターネットないし携帯電話などで「コンタクト可能」であることがわかった。夜間や週末もコンタクト可能と回答した人も3分の1を数えた。

 他方で、終業後にインターネットや携帯電話でコンタクト不能、あるいはコンタクト可能でも例外的な場合と回答した人も32%存在した。コンタクトの可否は男女差も目立っており、男性では73%がコンタクト可能としていたのに対して、女性は59%だった。いずれにしても、インターネットの導入で仕事とプライベートの境界が急速になくなりつつある状況が浮き彫りになったかたちだ。

 コンタクトの可能性が高まるにつれ、そのルールを確定する動きも広がっている。回答者の過半数にあたる56%は、労使間にすでに対応するルールないし合意があるという。内訳は、全体としてではなく上司との間で個々に合意がなされているとしたのが34%、すべての労働者に対するルールが存在するとしたのが22%。他方で、全体の41%は明確な労使間のルールはないと回答しており、温度差があるようだ。

 労働法上は、メールや携帯電話でコンタクト可能とすることを義務付ける法令はないという。今後も法制化されるかは議論の余地がありそうだが、現実問題としては「業務時間外」のコンタクト可能性はビジネス上必要に迫られることも多いのが現状のようだ。


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(Gana Hiyoshi)

2010/4/5 15:32