好調「mixiアプリ」効果を外部にも、「mixi Connect」で新プラットフォーム


 ミクシィは12日に開催した決算説明会で、2010年度の新規事業として、「mixi Connect」を使った新プラットフォームサービスを提供することを明らかにした。

 ミクシィが運営するSNS「mixi」では2009年8月、同SNS内でソーシャルアプリを提供できるオープンプラットフォーム「mixiアプリ」を正式提供開始。多くのサードパーティからゲームなどのアプリが開発・公開され、mixi全体の利用が活発化したという。月間ログインユーザー数(1カ月に1回以上ログインしたユーザー)は、2009年6月に1189万人だったのが2010年3月には1386万人に増加。月間滞在時間(PCのみ)も2時間40分から3時間23分へ、月間PVもPC・モバイル合計で150.6億PVから333.1億PVへそれぞれ拡大している。

 mixiアプリがmixi内で利用されるものであるのに対して、新プラットフォームサービスは、mixiアプリ効果によって活発化したmixi会員の活動を外部にも拡大するものと言える。mixiのデータを外部サイトや端末から利用できるオープンプラットフォーム「mixi Connect」を使うサービスだが、詳細や提供スケジュールは追って発表する。

 このほかミクシィでは2010年度、新しい広告サービスも提供する計画だ。mixiにおける広告サービスは現在、ディスプレイ広告(バナー広告)がほとんどだが、これがSNSの特性を十分に生かしているとは考えていないという。新たな広告形態“ソーシャルアド”を研究・開発する。

 また、グローバル展開の本格化も掲げた。ミクシィは2008年に中国に進出しているが、まだテストマーケティング段階で売上もない。他の地域への進出も含めて検討していくという。

2009年度通期決算は増収減益、初の配当実施

 

 ミクシィが12日に発表した2009年度通期(2009年4月~2010年3月)の連結決算は、売上高が136億円で前年度比12.8%の増加となった一方、営業利益は27億5200万円で同27.0%減少した。経常利益は26億7500万円で同29.4%減、当期純利益は13億900万円で同32.7%減。

 mixi事業において広告売上が伸びた一方で、mixiアプリが好調ゆえに、逆にサーバーコストや、アプリケーションプロバイダーに広告売上の一部を支払うアドプログラム費が増加した。さらに年度末に投入したテレビCMによる広告宣伝費など、販管費の増加が影響した。

 今回、1株500円の期末配当を実施することも決めた。剰余金について従来は、将来の事業展開と経営体質の強化のための内部留保の充実に努めきたが、長期株主に対する利益還元として、上場来初となる配当を実施することにしたという。


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(永沢 茂)

2010/5/13 12:33