消費者庁がペニーオークション3社に措置命令、「99%OFF」など不当表示


「ポイントオークション」における表示(消費者庁の資料より)

 消費者庁は3月31日、いわゆる「ペニーオークション」を運営する事業者3社に対して、サイトの表示に一般消費者を誤認させる表現があったとして、景品表示法の規定に基づく措置命令を行ったことを明らかにした。対象となった事業者およびサービスは、株式会社DMM.comの「ポイントオークション」、株式会社アギトの「凄オク」、株式会社ゼロオクの「ゼロオク」。

 ペニーオークションは、ユーザーが入札するたびに入札手数料(50円から75円程度)が必要となるインターネットオークション。一般に、入札開始額が低額(通常0円)で、1回の入札金額の単価(1円から15円程度)も低額で固定されている。

 また、一定の条件が満たされるたびに入札可能な期間が延長されるため、入札者が競り合っている場合には際限なく入札が行われることとなる。最終的に落札できたとしても、落札金額の他に多額の入札手数料を支払うこととなるなど、必ずしも商品の価格が安価でない可能性もある。また、落札できなかった場合にも、多額の入札手数料を支払うことになる可能性もある。

 消費者庁では、「ポイントオークション」「凄オク」「ゼロオク」の3サイト上での表記について、「業界No.1出品数 人気商品を格安でGET! 最大99%OFFで落札できるチャンス!」「最大9割引 スーパーオークション」「iPad¥692」などの表示が行われていた点を指摘。各サービスで落札するためには多額の入札手数料がかかることがあり、これらの表記は商品の価格が著しく安価になると一般消費者に誤認させるものだとして、景品表示法(第4条第1項第1号および第2号)に基づく措置命令を実施。各社に対して、表示内容が誤認させるものであった旨を一般消費者に周知徹底すること、再発防止策を講じること、今後同様の表示を行わないことを求めている。

 また、Innovative Auction Limitedが運営していた「激安オク」、株式会社MEDIATRUSTが運営していた「みんなのオークション」にも、同様の表示が見られたと指摘。ただし、両サービスは既に終了しており、Innovative Auction Limitedは本社が香港で日本に拠点を有していないこと、株式会社MEDIATRUSTは登記上の本店所在地が存在せず連絡が一切取れない状況にあることから、措置命令は行わないが、不当な表示に該当する事実が認められた旨を公表するとしている。

【お詫びと訂正 7/19】
 初出時、「凄オク」の名称を誤って「漢オク」と表記していました。お詫びして訂正します。


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(三柳 英樹)

2011/4/1 12:04