米Amazon、Prime会員のKindleユーザー向けに無料の書籍貸し出しサービス

人気タイトルを含む数千冊を用意


 米Amazon.comは2日、Kindleユーザーが、無料で無期限に書籍を借りられる新サービス「Kindle Owner's Lending Library」を開始したと発表した。

 Kindleユーザーであり、かつ米国のAmazon Prime会員であれば、登録されている5000冊以上の書籍を、月に1冊、返却期限なしに借りられる。Amazon PrimeやKindle以外の追加料金は必要ない。

Kindle Owner's Lending Library

 この、いわば“Kindle版図書館”に収められている書籍には現在、日本でも人気となったマイケル・ルイス氏の「ライアーズポーカー」「マネーボール」「ビッグショート(邦題「世紀の空売り」)」などといったノンフィクションや種々の小説、「銃・病原菌・鉄」といった賞の受賞作、自己啓発書など、さまざまなジャンルにわたっている。

 Amazonの発表によると、人気書籍の目安となっているニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに現在または過去に掲載された100冊以上も含むとしている。

 このサービスで借りた書籍には、Kindleの機能を利用して、ノート、ハイライト、ブックマークを付けることが可能で、いずれもKindleサービスの中に保存される。書籍を返却した場合でも、同じ書籍を購入したり、または借り直したりした場合に、これらのデータを再び利用することが可能だ。

 書籍はKindle端末から直接借りることが可能で、1カ月に1冊、一度に1冊ずつ借りることになる。新しい書籍を借りる場合には、以前に借りた書籍をその場で返却可能だ。

 Amazonは、このサービスを実現するために出版社との間でさまざまな契約を交わしているとする。たいていの書籍の場合には、Amazonは出版社に1タイトルあたりの固定費を支払うことで合意している。また、別の場合には、ユーザーが書籍を借りるたびにAmazonが書籍を標準的な卸売価格で購入する。Amazonがそうするのは、このサービスが有効であることを出版社に対して示すためだとしている。

 AmazonのKindleコンテンツ担当バイスプレジデントであるRuss Grandinetti氏は、「Prime会員の増加と、最近開始したPrimeインスタントビデオによって、CBS、FOX、NBCUniversalといった映画やテレビ会社と関係を拡大でき、彼らの売り上げも著しく増加させることができた。我々は、その投資を書籍にまで広げられることに興奮している。我々はすぐに3種類の結果を出せると期待している。Kindleユーザーは今まで以上に本を読むことになり、出版社の売り上げが伸び、著者はこれまでよりも多いロイヤルティー収入を得るということだ」とコメントしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/11/4 12:02