「.kyoto」でアニメ産業にも貢献、KCGのグループ校がレジストリに名乗り
京都情報大学院大学(学校法人京都情報学園)は8日、京都を表す新gTLD「.kyoto」を管理・運営するレジストリ事業者として京都府に申請すると発表した。京都情報大学院大学は、1963年創立の日本最初のコンピューター専門学校だという「京都コンピュータ学院(KCG)」のグループ校。IT専門職大学院として2004年に開学した。
新gTLDとは、gTLD(generic Top Level Domain:分野別トップレベルドメイン)として、新たに社名や地名などを使えるようにする枠組み。ドメイン名やIPアドレスなどのインターネット資源を管理しているICANNが1月12日から4月12日まで、こうした新gTLDを運用するレジストリ事業者を募集している。
ただし、「.kyoto」のような地名を運用するにあたっては、該当する地域を管轄する自治体からの支持が必要。京都府では2月10日までレジストリ希望事業者を募集しており、京都情報大学院大学は10日に京都府に申請を行うという。
京都情報大学院大学では、「京都府をはじめとする公法人や地元企業・教育機関などが『.kyoto』を広く活用することで、京都全体の国際的な知名度・ブランド力の向上につながり、社会・経済活動の活性化が期待される」と説明。産官学合同の公益事業と位置付け、「.kyoto」ドメインを取得した公的機関や公益法人が登録・情報発信が可能なポータル/コミュニティサイトなども構築する考え。また、京都は国際的な観光地であることに加え、映画の撮影所や有名なアニメ製作会社もあることから、観光産業、映画・アニメなどコンテンツ産業の貢献に向けた各種事業なども積極的に進めたいとしている。
京都情報大学院大学が今回の申請を行うにあたっては、同大学も加盟する社団法人京都府情報産業協会も推挙・後援するという。京都府情報産業協会では2010年より「ドット京都運営委員会」を設置し、「.kyoto」のレジストリ申請に向けて検討。その結果、学校法人としての公益性やICT分野の専門性などの面で、レジストリ申請主体として同校が適切であると判断した。このほか、同志社大学など近隣の大学からも支持を得ているとしている。
京都府情報産業協会には、レンタルサーバー事業を展開する株式会社カゴヤ・ジャパンも加盟しており、ドット京都運営委員会の委員長も同社が務めた。実際のレジストリシステムの運用は当面、実績のある国内外の企業に委託する予定で、カゴヤ・ジャパンなど、京都府情報産業協会の加盟企業との協力・連携も呼び掛ける。
「.kyoto」のレジストリ事業者としてはすでに、京都のレンタルサーバー事業者らで設立したドット京都株式会社が、京都府への申請を行っている。京都府では、申請があったレジストリ希望事業者を審査した上で、「.kyoto」のレジストリとして最も適している1事業者に対して支持文書を交付する。
なお、京都府から支持を得たレジストリ希望事業者は、あらためてICANNに申請することになり、運用ポリシーやシステム/経営基盤などが審査される。ICANNでの審査には9カ月以上かかるとされており、仮に「.kyoto」が承認されたとしても、実際に使えるようになるのは早くても2013年以降になる見込み。
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(永沢 茂)
2012/2/8 16:22
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