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要請で即削除、Googleと日本ペンクラブ「図書館プロジェクト」で協力

 米Googleと日本ペンクラブは17日、提携図書館の蔵書をデジタル化して検索可能とする「Google図書館プロジェクト(Google Library Project)」に関する著作者の懸念を解決し、協力関係を構築していくことで合意するとの共同声明を発表した。

 両者はGoogle図書館プロジェクトでデジタル化された日本語の作品、および将来デジタル化される可能性がある日本語の作品の利用について、双方の基本的立場を尊重しつつ、建設的な協力関係を構築していく。

 合意の中には、Google ブック検索で表示されるスニペット(数行の抜粋表示)を、日本ペンクラブ所属の作家や出版社から要請があった場合、速やかにGoogleが削除する項目が含まれる。また、除外登録を受けた書籍は、図書館プロジェクトのスキャン対象から除外される。

 Googleの図書館プロジェクトでは、米国の図書館でデジタル化された書籍に、著作権保護期間内の日本の出版物が含まれており、日本の著作権者から懸念が示されていた。今回の合意はこの懸念を解決し、協力関係を構築する出発点となるものだとしている。

 なお、Googleは図書館プロジェクトの開始当初から、著作権者から通知を受けた場合に、スニペットを削除したり、スキャン対象から除外する対応を行なっていたが、改めて、Googleの責任で確実に実施することを確認した。

 また、日本ペンクラブとGoogleは今後、図書館プロジェクトに関連して法的手段をもって争わないことを約束。日本ペンクラブの会員が、今回の合意に疑義を呈した場合には、会員に対し理解を求めるよう努力するという。

(増田 覚)