ニュース

英文ミスを文脈に合わせて修正、ネイティブ表現にする無料ツール「Ginger」

 イスラエルのGinger Softwareは24日、入力した英文をネイティブ表現に最適化するソフト「Ginger(ジンジャー)」を日本で正式公開した。Microsoft Officeで動作するソフトウェア版とブラウザー版があり、どちらも無料でダウンロードできる。利用するにはインターネット接続環境が必要。

ウェブ上で5億以上のフレーズを解析、ネイティブが使う英語表現を提示

 Gingerでは、ウェブ上にある5億以上の英単語や英文フレーズを解析。統計に基づき、ネイティブが使う最適な英語表現を提示する。誤りのある部分はハイライトされ、文脈に合った英語表現に差し替えることができる。単純に英文法やスペルをチェックするツールとは異なり、文脈に基づいた英文のチェックが行えるのが特徴という。

Gingerの仕組み

 例えば、「Let's grab a bear」(熊をつかもう)という表現では、文法とスペルに間違いはないが、使う単語が間違っていると判断された場合には、「Let's grab a beer」(ビールでも飲もう)という最適な表現に修正してくれる。

Ginger利用前後の例

 文脈に沿ったスペルチェックとしては、「I want to rid a camel」(私はラクダを除去したい)といった表現がある場合、「I want to ride a camel」(私はラクダに乗りたい)と、ユーザーが本来入力しようとしていたと思われる単語に訂正する。

 さらに、同義語による最適化として、「I would like to book a flight」(フライトを予約させてください)という表現を、「I would like to reserve a flight」と同様の文脈で使われやすい単語に修正して自然な文章に直してくれる。

FacebookやGmailでも利用できる

 ブラウザー版はGoogle Chrome、Firefox、Safari、Internet Explorer 10/9/8に対応しており、FacebookやTwitterといったソーシャルメディア、ウェブメールなどで利用することが可能。

 ソフトウェア版はWindows 8/7/Vista/XPに対応し、WordやExcel、PowerPoint、Outlookで英文チェックを行える。ソフトウェア版では、間違って書いた英語と、Gingerが修正した英語を2択クイズで学習できる有償版も用意する。

 有償版では、自分が間違って書いた英語が、前置詞や名詞、時制などのカテゴリーに分類され、苦手なポイントを集中的に克服できる。有償版は月額4.9ドル、もしくは3年間59ドル。文章読み上げ機能を加えたソフトウェア版は3年間で149ドル。

有償版の学習機能

 Ginger Softwareは2008年にイスラエルで設立された企業。2011年には海外でGingerを公開しており、ダウンロード数は累計200万件、月間アクティブユーザーは100万人に上り、Gingerが提示する内容どおりに訂正される数は1カ月に1100万以上に達するという。

 2012年8月には、ベンチャーキャピタルの「Horizon Ventures」などがGinger Softwareに500万ドルを投資、既存投資家も40万ドルを追加投資している。合計投資額は2100万ドルに上るという。

 今後は、英文の修正候補を提案するリフレーズ機能を実装する予定。この機能は例えば、「I can't English」という文章に対して、「I can't understand」や「I can't speak English」など候補となるフレーズを提示。また、「Please accept my apology」といった間違いでない表現でも、「Please accept my sincere apology」や「Please accept my deepest apology」などとネイティブで使われやすい表現を変換候補に提示する。

英文の修正候補を提案するリフレーズ機能

(増田 覚)