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雑音環境下でも家電やスマホを音声操作、NECが雑音除去&音声強調技術

 日本電気株式会社(NEC)は7日、雑音環境下でも音声によって家電やスマートフォンなどを離れたところから操作できる音声認識技術を開発したと発表した。雑音除去技術と音声強調技術を組み合わせたもの。

 まず、雑音除去技術は、機器に搭載した2つのマイクに入る音声と雑音の信号から、雑音成分を推定・除去して音声成分だけを残すもの。時間とともに変化する雑音にも正確に追従するという。

 音声強調技術は、雑音除去を行ったことで歪みが発生し、認識するのが難しくなった音声に対して、音声モデルに基づいて音声成分を強調するもの。音声認識に適した音に調整可能となるため、モバイル端末向け音声認識の世界標準規格である「ETSI Advanced Front-End(AFE)」よりも認識精度が優れているとしている。

 現在では家電やスマートフォン/タブレット端末などに音声操作機能が搭載されるようになったが、内蔵マイクに口元を近づけてはっきりと発話する必要があった。NECが今回開発した技術では、従来は利用が難しかった雑音下においてもマイクから離れて発話した音声を正確に検知。騒がしいリビングルームやキッチンで約1m離れたところから機器を操作したり、走行中の車内でカーナビを操作することが可能になるほか、工場や店舗、倉庫などでの音声データ入力にも応用できるとしている。

(永沢 茂)