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世界の木から生体電位を収集して作曲、坂本龍一とYCAMがアートプロジェクト

 山口情報芸術センター(Yamaguchi Center for Arts and Media:YCAM)は、坂本龍一氏の「Forest Symphony」とのコラボレーションによるアートプロジェクトを7月26日から12月1日まで同センターで開催すると発表した。

 Forest Symphonyは、樹木の内部に流れる微弱な生体電位の変化をもとに楽曲を構成する試み。このプロジェクトにYCAM InterLabが技術開発で参加し、新たにサウンドインスタレーションとウェブコンテンツを発表・展示する。

サウンドインスタレーションの展示イメージ。天井からつるされた多数の多面体スピーカーから、各地域の樹木から生成したサウンドが流れるという

 具体的には、樹木から生体電位を取得し、専用サーバーに送信するオリジナルのセンサーデバイスをYCAM InterLabが開発。山口市内の公園や神社、宮崎県諸塚村、米ボストンのMITメディアラボなど、生態系の異なる国内外の地域の樹木9カ所に設置した。集められた樹木のデータに基づき、展示会場を包み込むサウンドを生成するとともに、生体電位の変化や設置場所の季節や天候による環境の変化も視覚的に表現し、森のような空間を現出させるとしている。また、会場内を流れるサウンドや生体電位のデータを視聴できるウェブコンテンツも公開する。

 YCAM InterLabでは、センサーデバイスをオープンソースハードウェアとして、製造図面や製作法をウェブサイトで公開する予定。

YCAM InterLabが開発したセンサーデバイス
宮崎県諸塚村の森の樹木にセンサーデバイスを取り付ける様子

(永沢 茂)