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共同通信、政治家などの本物SNSアカウント/公式ブログを認証するサービス
(2013/6/25 19:17)
株式会社共同通信デジタルは25日、政治家や著名人などの公式ブログやホームページ、SNSアカウントを認証するサービスを開始すると発表した。株式会社シマンテックの「ノートンセキュアドシール」の認証技術を活用し、そのページやアカウントが本人によって運用されているものであることをURL単位で認証する。料金を含むサービスの詳細は7月5日に発表する予定だが、年間3万円程度を予定している。夏の参院選からインターネットを使った選挙運動が解禁されるのを受け、まずは候補者の公式アカウントのなりすまし防止対策としての利用を見込む。
ウェブサイトを運営している組織の実在性を認証するサービスとしては、従来も「EV SSL」サーバー証明書を利用した仕組みがあった。例えば政党で言えば、自由民主党や公明党がシマンテック(VeriSign)のEV SSL証明書を導入しており、公式サイトにアクセスすると、ウェブブラウザーのアドレスバーが緑色になるとともに、政党名が表示されることで認証済みの正規サイトであることが分かる。シマンテックによると、表示される組織名称は技術的になりすましが困難だという。
しかしながら、EV SSL証明書による認証はドメイン単位だったため、SNSのドメイン下で各ユーザーに割り当てられたアカウントやURLを個々に認証することはできなかった。これに対して共同通信デジタルが新たに開始する認証サービスは、SNSアカウントを含め、URL単位の認証が行えるサービスとなる。
例えば、政治家が認証してほしい自身のアカウントやブログなどのURLなどを申請すると、共同通信が保有するデータベースからその政治家の正規の連絡先情報を参照。その連絡先に対してシマンテックがEV SSL証明書と同様のプロセスで実在性確認を行い、そのアカウント/URLが本人によって運用されている正規のものであることを認証する流れだ。認証対象のSNSは、Facebook、Twitter、Google+、YouTube、ニコニコ動画、Ustreamを予定している。
認証済みのアカウント/URLは、共同通信デジタルが7月5日に開設するサイト「THE OFFICIALS」に一覧化。そこで政党ごとに政治家の本物のアカウントやブログのURLを確認できるようにしていく。さらには、認証済みアカウント/URLのデータベースを大手ポータルサイトなどにも提供し、認証済みアカウント/URLの情報をインターネットユーザーから広く参照されるようにしていきたいという。
なお、例えば認証済みアカウントのFacebookページ上などで、直接これを判別できるような認証マークを掲示するといったスキームは整備されていない。そのため、検索などでたどり着いたFacebookページなどが政治家の本物のアカウントであるかどうか確認するには、THE OFFICIALSを参照するかたちとなる。共同通信デジタルでは、SNSのプロフィールページなどに同社の認証マークを表示できるような連携について、各SNS事業者と協議していきたい考えだが、具体的なめどはたっていない模様だ。
共同通信デジタルでは、参院選を見すえ、すでに政党を通じて政治家向けに営業を開始しているが、同サービスは政治家に限らず、芸能人や企業など、なりすまし対策を必要とする個人・法人も対象に提供していく。7月5日の正式サービス発表後にオンラインで申し込めるようになる予定で、認証が完了したアカウント/URLから、THE OFFICIALSにおいてカテゴリーを設けて一覧化していく。