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米Amazon、AppstoreでHTML5ウェブアプリの登録受付を開始

Kindle Fire向け専用ランタイムやアプリ内課金APIも提供

 米Amazon.comは7日、「Amazon Appstore」にて、ウェブアプリケーションの登録受け付けを開始したと発表した。これにより、Amazon AppstoreではAndroidネイティブアプリとHTML5ウェブアプリが並べて陳列されることになる。

 モバイルアプリストアとしては、米AppleのiTunes App Store、米GoogleによるGoogle Playが有名。しかしいずれもネイティブアプリしか受け付けていない。HTML5ウェブアプリの受け入れではAmazonが初めてとなる。

 これにより、開発者の負担は大きく減ることになる。なぜなら、これまでウェブアプリをアプリとして登録する場合、ウェブアプリケーションを何らかのラッパーによってモバイルアプリ化する必要があったからだ。これに対してAmazon Appstoreでは、登録時にウェブアプリのURL、画像、アプリの説明などといったメタデータの登録だけで完了する。

 また、Amazonはアプリ内課金のためのAPI「Amazon In-App Purchasing API for JavaScript」の提供も開始。これにより、登録したウェブアプリでアプリ内課金が可能となる。

 Amazon Appstoreの登録時利用規約では「無料で公開されているウェブサイトはAmazon Appstore内でも無料で提供しなければならない」としている。そのため、Amazonではマネタイズの手段として、アプリ内課金の使用を開発者に推奨している。

 ウェブアプリのデメリットは、ネイティブアプリと比較してパフォーマンスが落ちることだ。この懸念を一掃するため、AmazonではKindle Fire向けに特別のウェブランタイムを搭載した。

 このウェブランタイムは、Chromiumがベースとなっている。Chromiumとは、Googleのブラウザー「Google Chrome」の元となっているオープンソースプロジェクトだ。

 ランタイムではGPUアクセラレーションを使用でき、Kindle Fire上でネイティブアプリと同様の水準でウェブアプリが滑らかに動作するように最適化されていると主張する。また、最新のHTML5の機能をサポートするとしており、利用できる機能についてKindle Fire、Kindle Fire HD、Kindle Fire HD 8.9で使用できるデバイスコンポーネントの比較表を掲載している。現時点ではカメラ、マイク、加速度系、位置測定に関する機能は利用できないものが多いようだ。

 このランタイムはKindle Fire独自のため、他社プラットフォームでのウェブアプリのパフォーマンスは比較的低下するものと推測される。

 今日時点で登録されたウェブアプリとしては、発表されているものはゲーム関連数点にとどまっており、数としては少ない。しかし登録の手間が簡単なことから、数は増加していくものと考えられる。

(青木 大我 taiga@scientist.com)