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米Googleが「Quickoffice」アプリを無料化

~モバイルオフィススイート市場が激戦に

 米Googleは19日、「Quickoffice」アプリを無料にすると発表した。iOS版(要iOS 6+)とAndroid版(要Android 2.2+)が現在無料でGoogle PlayまたはApp Storeにて提供されている。これまで公開されていた有料版Quickofficeは削除された。

 また、9月26日までに新QuickofficeアプリからGoogleアカウントにログインした場合、10GBのGoogleドライブストレージを2年間無料で使用できる権利が付与される。

 Googleは2012年6月にQuickofficeを買収し、その技術をGoogle Apps改良に利用するとしていた。

 Quickofficeは、Microsoft Officeフォーマットに対応したモバイル版オフィススイートだ。Word、Excel、PowerPointファイルの作成と編集、PDFファイルの閲覧と注釈、メールへのファイル添付、Googleドライブとの連携が可能だ。利用にはGoogleアカウントへのログインが必要となる。

 さらに新機能として、ZIP形式フォルダーの作成、ExcelとPowerPointファイルでのグラフ閲覧への対応、Googleドライブに似た新デザインのアイコンが用意された。また、アプリはこれまでiPhone版とiPad版にわかれていたが統合された。

 これまで販売されていた有料の「Quickoffice Pro」と「Quickoffice Pro HD」は今後アップデートされない。Googleでは「Quickoffice ProとPro HDはiOS 7に完全には対応せず、いくつかの機能が動作しない場合がある。2014年3月31日以降、Quickoffice ProとQuickoffice Pro HDからすべてのクラウドストレージサービスは利用できなくなる」と説明している。

 そして、これら利用者に対しては、「2013年6月17日以降にQuickoffice ProやPro HDを購入していた場合、Googleドライブストレージ50GBを無料で受け取る資格がある(ただし購入を証明する必要がある)」とし、購入の証拠となるレシートを添付するフォーム記入を求めている。

 モバイル分野でのオフィススイートは激戦になってきた。米Microsoftは、「Office Mobile」のiOS版とAndroid版を立て続けに公開。また米Appleも「iWork for iCloud」のほかに、新規iOS端末購入者にiWorkアプリを無料で提供するなど、オフィススイートのシェア獲得に乗り出している。

(青木 大我 taiga@scientist.com)