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日本のSNS利用者は知らない人とつながりすぎ、リスキーだとシマンテック懸念
(2013/10/17 06:00)
株式会社シマンテックは16日、インターネットユーザーのセキュリティ意識やサイバー犯罪などの被害状況について調査した「2013年ノートン レポート」を発表した。スマートフォンやタブレットの利用によって利便性が高まる一方で、セキュリティ面が犠牲になっている傾向などを指摘している。
調査は、日本を含む世界24カ国の18~64歳を対象に、今年7月4日~8月1日にオンラインで実施したもの。対象者は1万3022人(うち日本は500人)。
スマホ/タブレット利用で“セキュリティIQ”低め
調査対象者の63%(日本では44%)が個人用のスマートフォンを、30%(日本では15%)がタブレットを所有していたが、これらモバイルデバイスユーザーの半数近く(日本では4割近く)が、セキュリティの基本的な予防措置(パスワードの使用、セキュリティソフトの使用、ファイルのバックアップなど)を講じていなかった。
所有している各デバイスにおいて実施しているセキュリティ対策を聞いたところ、PCよりもタブレットやスマートフォンにおいて実施割合が低くなる傾向も出た。「知らない人からの不審なメールは削除する」は、PCでは90%の人が行っていると回答したのに対し、タブレットでは60%、スマートフォンでは56%だった。また、「少なくとも基本的なセキュリティ製品を使用している」は、PCが72%に対して、タブレットは42%、スマートフォンは33%。さらに「機密ファイルをオンラインに保存しない」は、PCが78%に対して、タブレットが53%、スマートフォンが48%だった。PCユーザーとしては“セキュリティIQ”が高めだが、モバイルに関しては低めだとしている。
シマンテックでは、モバイルデバイスの特徴は常時インターネットとつながっているという利便性であり、ユーザーは便利すぎるゆえにセキュリティ面をついつい忘れてしまうか、あるいはセキュリティよりも利便性を優先していることが根底にあるとみている。モバイルデバイスにかかわるどのような被害が実際に出ていて、どのような対策があるのかを周知させながらモバイルセキュリティを啓蒙していく必要があるとした。
知らない人とつながっているSNSユーザーの割合、日本は世界平均の2倍以上
ソーシャルメディア上でのセキュリティリスクの高い行動についても調査している。SNSユーザーにおいて「各セッション終了後にログアウトしない」とした人の割合は39%(日本では77%)、「他人とソーシャルメディアのパスワードの共有経験がある」は25%(日本では47%)、「直接知らない人とつながっている」は31%(日本では66%)で、日本が世界平均よりも格段に高い数値となっている。
シマンテックでは、日本では知らない人とSNSでつながるという行為について抵抗感がないのではないかと指摘し、そうした行為はセキュリティ対策の観点からは非常にリスクが高く、日本人はSNSのセキュリティリスク認識が甘いと懸念を示す。今後もそのような意識のままでの利用が続けば、サイバー犯罪者が見逃すはずはなく、その甘さを突いて犯罪を仕掛けてくることが十分に予想されるとして、日本では特に注意が必要だとしている。
なお、「何者かによってソーシャルネットワークのアカウントをハッキングされ、なりすまし被害を受けた経験がある」としたSNSユーザーの割合については、今のところ日本が世界平均よりも低い数値が出ており、世界平均が12%だったのに対し、日本は1%だった。