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「ポッドキャストを守れ!」~米EFFが特許無効訴訟を開始
(2013/10/18 11:09)
米非営利団体のElectronic Frontier Foundation(EFF)は16日、通称「ポッドキャスト特許」と呼ばれている特許の無効を求める訴訟を米国特許商標庁(USPTO)に対して起こしたことを発表した。
EFFは今年5月、この特許訴訟を開始するための費用をまかなうために「Save Podcasting」と題する募金キャンペーンを行った。目標金額は3万ドルだったが、その倍を遥かに上回る7万6160ドルが集まり、市民による関心の高さが浮き彫りとなった。そしてその費用を元に今回の訴訟開始が決まった。
問題となっている特許は、米Personal Audioに授与された「U.S. Patent No. 8,112,504」だ。Personal Audioは今年1月から、人気コメディーポッドキャスト「The Adam Carolla Show」のAdam Carolla氏、その他テレビネットワーク3社に対して特許侵害訴訟を起こしていた。
Personal Audioのウェブサイトには、以下のような説明が記載されている。
「Personal Audio, Inc.は、インターネット経由でリスナーにパーソナライズされた音声を提供することを使命とし、1996年に設立された。当社は、この使命を実現するため、オーディオファイルをダウンロードして保存し、操作できるオーディオプレーヤーの開発に取り組んだ。このシステムと関連する一連のアイデアは、1996年10月に提出されたいくつかの特許出願に記載された。当社のシステムおよび特許出願は、現在一般的なスマートフォン、タブレットおよびその他のデバイスで使用されている技術の先駆けとなった。それは、ダウンロードしたプレイリストとともに、オーディオやビデオファイルを保存、再生する技術である。また、その他の先駆的な技術革新として、ポッドキャストなどのエピソードコンテンツや連続テレビ番組の配信とアップロードが挙げられる。」
Personal Audioの特許ライセンシーには、Samsung、Motorola、RIM、HTC、LGなどが含まれると主張している。これまでにSamsungが特許料支払いに応じたと報じられている。
EFFは、Personal Audioのビジネスモデルは、自らポッドキャストを行っていないことから、同社が「パテントトロール」であると主張している。
EFFの訴状では3つの先例を挙げ、Personal Audioの特許無効を求めている。その中には、有名なCarl Malamud氏による1993年のネットラジオ番組「Geek of the Week」や、CNNとカナダの放送局CBCによるインターネットラジオ中継を挙げている。これらはいずれも1993年に行われたため、Personal Audioが発明したと主張する1996年に数年先行していることになる。そのため訴訟後に特許無効となる可能性は高いと考えられている。