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楽天Kobo、PC版の電子書籍ビューアー提供へ、出版社から要望も多く
(2013/11/27 13:00)
楽天株式会社は、子会社のカナダKobo Inc.が提供する電子書籍サービス「楽天Kobo」において、Windows/Macに対応した電子書籍ビューアーを2014年第1四半期中に実装することを明らかにした。電子書籍をPCからも閲覧できるビューアーの提供については、出版社からも要求が多いのだという。
Koboは、電子ペーパーディスプレイ搭載の電子書籍専用端末を2012年7月に国内発売し、日本の電子書籍市場に参入。その後、iOS版アプリやAndroid版アプリをリリースし、閲覧できるプラットフォームを拡大してきた。さらにPC版ビューアーの提供により、すべてのプラットフォームで電子書籍を読めるようにするという楽天Koboのマルチプラットフォームチャネル展開が「ほぼほぼ完結する」(楽天株式会社パッケージメディア事業・イーブックジャパン事業担当役員の舟木徹氏)という。
一方、従来より提供しているAndroid版アプリについては、11月28日に予定しているアップデートで新機能「Quick Buy」を実装するとした。ワンタップでスムーズに電子書籍コンテンツを購入できるようになるという。
舟木氏はこのほか、楽天Koboの新サービスとして、定期購読サービスや、自費出版への対応を検討していくことも明らかにした。
11月26日に開催された楽天Koboの戦略説明会では、マルチプラットフォーム展開の1つとして、アプリに加えて、KoboブランドのAndroidタブレット端末「Kobo Arc 7HD」の国内販売を12月より行うことも発表された(本誌11月26日付の関連記事を参照)。
Androidタブレットの国内投入タイミングについては舟木氏自身、「遅かったと認識している」というが、「Androdタブレットを売ることで商売することは考えていない。Androdタブレットをいっぱい売ることで楽天Koboのユーザーを増やすということではなく、全体の品ぞろえの1つとして考えている」とコメント。これもまた舟木氏が認めるように、日本でも圧倒的なAmazonとの差を詰めていくために、国内電子書籍市場における「日本勢の第2グループ」として、Androidタブレットに限らず、サービス全体として新規ユーザーの拡大に努めていくことが重要だとした。
戦略説明会ではこのほか、リアル書店との連携の強化についても言及した。すでに全国の約100店舗においてKoboの電子書籍専用端末を販売するようになったが、これにあたっては、書店員向けの研修や販売ブースの設置、販売開始イベントの実施といったサポートを書店向けに行うことで、中には販売初日のイベントで数十台を販売する店舗も出ているという。さらに今後、端末の販売だけでなく、電子書籍コンテンツの購入時の決済もリアル書店の店頭で行える連携にもチャレンジしたいとして、いくつかの書店と話し合っている段階だとした。