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2013年の不正アクセス状況、ネットバンキング被害が急増

 警察庁、総務省、経済産業省は27日、2013年の不正アクセスの発生状況を公表した。2013年中の不正アクセスの認知件数は2951件で、2012年と比べて1700件増加。このほか、IDやパスワードのリストを利用したみられる連続自動入力プログラムによる不正ログイン攻撃について、約80万件の報告が事業者からあったという。

不正アクセス行為の認知件数の推移

 認知された不正アクセスのほとんど(2893件)で一般企業が被害に遭っており、行政機関(24件)、プロバイダー(9件)、大学・研究機関など(9件)などの被害は少ない。不正アクセスを認知したきっかけは、管理者からの届け出が1208件、利用者からの届け出が929件、取り調べなど警察活動によるものが781件。

 不正アクセス後に行われた行為は、インターネットバンキングの不正送金が1325件と最も多く、2012年の95件から急増している。以下は、インターネットショッピングの不正購入(911件)、オンラインゲーム・コミュニティサイトの不正操作(379件)、ホームページの改ざん・消去(107件)、情報の不正入手(92件)、インターネットオークションの不正操作(36件)、不正ファイルの蔵置(20件)など。

不正アクセス行為後の行為の内訳

 2013年中の不正アクセス禁止法違反事件の検挙件数は980件で、検挙人数は147人。2012年と比べると検挙件数は437件増加し、検挙人数は7人減少した。検挙件数の内訳は、不正アクセス行為が968件でほとんどを占める。その他は、他人のIDやパスワードを無断で第三者に提供する識別符号提供(助長)行為が7件、識別符号取得行為が2件、識別符号保管行為が2件、フィッシング行為が1件。

 検挙件数を不正アクセス行為の様態別に分類すると、他人のIDやパスワードを不正に利用する識別符号窃用型が965件でほとんどを占める。セキュリティホール攻撃型は3件。

 検挙した事件の不正アクセス行為の手口は、パスワードの設定や管理の甘さにつけこんだものが767件で最も多く、言葉巧みに利用者から聞き出したまたは覗き見たもの(64件)がこれに次ぐ。不正アクセス行為の動機については、「不正に経済的利益を得るため」が706件で最も多い。

 また、警察庁ではサイバー犯罪の検挙状況を公表した。2013年中のサイバー犯罪の検挙件数は8113件。前年比770件増で、過去最高を記録。内訳は、ネットワーク利用犯罪が6655件、不正アクセス禁止法違反が980件、コンピューター・電磁的記録対象犯罪および不正司令電磁的記録に関する罪が478件。

(三柳 英樹)