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freee、「クラウド給与計算ソフト freee」β版を無償提供開始

1クリックで給与関連事務が完了、会計帳簿への登録も自動化

 クラウド会計ソフト「freee」を運営する freee株式会社は5月19日、「クラウド給与計算ソフト freee」のベータ版をリリースした。無料で利用できる。

 今年後半に正式版に移行する見通しで、正式版移行後は、従業員3人分まで給与計算が可能な基本プランが月額1980円、従業員1人追加ごとに月額300円の料金を予定。なお、正式版移行後も、無料試用期間を設けるという。

「クラウド給与計算ソフト freee」システムのイメージ(一部機能は今後提供)

 「クラウド給与計算ソフト freee」は、従業員のアカウントを作成し、従業員自身が勤怠情報を入力することで、給与額の計算、給与明細の発行と配布、社会保険や年金などの支払に関する書類などは1クリックで作成できる仕組み。このため、給与計算の知識がなくても給与関連事務が行えるようになる。

 給与関連事務では税金や社会保険料の計算は複雑で法改正等もあり、担当するには知識が必要となるが、「クラウド給与計算ソフト freee」では、入力された給与情報を元に税金・社会保険料を自動的に計算する。クラウド型のため、法改正による税率・保険料率の変更にも自動で対応し、ユーザーはソフトの買い替えやアップデートを行う必要もないため、給与計算関連の作業負担を大幅に低減できる。

 「クラウド給与計算ソフト freee」は単体で利用可能だが、「クラウド会計ソフト freee」と合わせて利用すると、同一アカウントで両サービスが利用でき、計算された給与や税金・保険料は「クラウド会計ソフト freeeに取引として自動で反映されるため、給与計算の結果を会計データとして転記する手間が不要になる。

 なお、今回公開されたベータ版では、従業員自身が住所などの給与計算に必要な基礎情報や勤務時間を直接入力する機能と従業員が給与明細をオンラインで確認できる機能は実装されておらず、今後追加公開される。また、提出書類を自動生成する機能も追加公開される予定。給与計算関連では、所得税計算高計算書や源泉徴収票といった様々な書類を税務署、年金事務所、市区町村に提出する必要があるが、「クラウド給与計算ソフト freee」では入力された情報を元に必要な書類を自動で生成することが可能になる。

ログイン画面
ホーム画面
給与明細画面
クラウド会計freeeと合わせて使えば給与や税金、保険料が会計データとして自動で取り込める

 freee株式会社 佐々木大輔社長は、「実家の母が自営をしていて、夜遅くまで事務処理をしている姿を見ていたので、スモールビジネスをもっとラクにしたいという思いでfreeeを立ち上げた。会計ソフトはクラウド化したが、給与計算というのは税率や法の改正も多く、スモールビジネスにおいて負担が大きい。85%の中小企業が給与事務を社内で内製している。しかも、給与情報は扱いに注意が必要なこともあり、社長や役員が兼務しているのが4割を超えている」とサービス提供の背景を語る。

Google卒業生が設立したfreee株式会社 代表取締役社長 佐々木大輔氏。サービス開始にあたってお話を伺った

 また、freeeの利用で現在一番多いのが店舗だというが、「Airレジやユビレジとの連携もできたので、給与計算も自動でできれば店舗での会計事務は大幅に削減できる。スモールビジネスに携わる人が本業以外で煩わされる作業をできるだけ低減して、本業に力を集中できる環境を作りたい。会計はすぐにクラウドに移行できないケースもあると思うが、給与計算は単体で利用でき、ベータ版は無料で、また正式版移行後も無料期間を設けるのでぜひ試していただければ」とコメントした。

「クラウド給与計算ソフト freee」のデモ動画

(工藤 ひろえ)