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スティーブ・バルマー氏、米Microsoft取締役からの引退を発表
(2014/8/20 11:18)
米Microsoft前CEOのスティーブ・バルマー氏は19日、Microsoftの取締役を辞任すると発表した。バルマー氏は引き続きMicrosoft社の株式を保有する意向も明らかにした。
これは、バルマー氏が現Microsoft CEOであるサトヤ・ナデラ氏に宛てた書簡と、ナデラCEOがバルマー氏に宛てた書簡をMicrosoftが公開したことによって明らかになったものだ。
バルマー氏は引退の理由として、CEOを引退して半年が経過し、次期株主総会の招集通知準備が始まる8月に合わせてこの決断をしたとしている。
バルマー氏は現在58歳。ハーバード大学で創業者ビル・ゲイツ氏の同級生だったが、バルマー氏はProcter & Gambleに入社。その後スタンフォード大学ビジネススクール在籍中にMicrosoftを創業していたゲイツ氏にスカウトされ、中退して同社に入社し、Microsoftの30番目の社員となった。
バルマー氏は8月12日に、米国のバスケットボールリーグNBA所属チームのLos Angeles Clippersを空前の20億ドルで購入したばかり。書簡でもこのことに触れ、今後はClippersオーナーとして、また社会貢献活動、教育や研究活動により多くの時間を割くために、取締役としての職務がおろそかになることも辞任の理由として説明した。
その一方、バルマー氏が保有すMicrosoft株式は、引き続き保有するとしている。バルマー氏によれば、彼はインデックスファンドなどを除けば最大の株主だという。
バルマー氏は書簡の中で、現CEOのナデラ氏が打ち出した「モバイルファースト、クラウドファースト」戦略を再三引用するなど、ナデラ氏の戦略を積極的に支持している様子もうかがえる。これに対してナデラ氏は、バルマー氏の長年の貢献に謝意を表している。
バルマー氏は自身のツイッターで、「変化は最高! Clippersファンの皆さん、歓迎してくれてありがとう。MS取締役は辞めるけれど、いつまでもMSを愛し続けます。まだまだこれからだよ」とツイートしている。