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楽天、キャッシュバックサイトの米Ebatesを約10億ドルで買収
(2014/9/9 19:45)
楽天株式会社は9日、キャッシュバックサイト大手の米Ebatesを買収すると発表した。Ebatesの発行済み株式の100%を、約10億ドルの現金を対価として取得する。株式譲渡は10月の予定。
Ebatesは、1999年に設立された会員制オンラインキャッシュバックサイト。ユーザーはEbatesのサイトを経由してオンラインショップで買い物をすることでキャッシュバックが受けられる。2013年12月期決算は売上高が1億6739万ドル、営業利益が1367万ドル。Ebatesの流通総額は22億ドルで、250万人のアクティブ会員数を有しているという。
楽天では、2005年の米LinkShare買収以来、ECや広告ビジネス、関連領域において米国事業を拡大し、その過程でLinkShareの事業パートナーであるEbatesとの関係を築いてきたと説明。Ebatesを既存の事業資産やテクノロジーと統合することで、世界でも独創的かつ革新的なECプラットフォームを構築できると判断し、買収を決定したとしている。
楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、「今回の買収は、これまでのクローズド型のインターネットショッピングモールから、楽天が新しいオープン型のショッピングサイトに進出をしていくということ。米国で大きな一歩を踏み出すことになり、戦略的にも大きな意味を持っている」とコメント。「この買収をステップにして、インターネットショッピングの新しい形を提案、実現していきたい」と語った。
Ebatesについては、「幅広いお店でキャッシュバックが得られる、わかりやすさが魅力」とした上で、2008年から約50%の年間平均成長率が続いているキャッシュバックサイトの先駆者でリーディングカンパニーだと紹介。楽天のEC流通総額のうち海外比率はこれまで約6%だったが、Ebatesが加わることで海外比率が16%になるとして、将来的にはさらに海外比率を50%に高めていきたいとした。
また、楽天ではECサイトの購入履歴を集約するサービスを展開する米Sliceも8月に買収しており、今後はこうしたサービスも組み合わせて、次世代のECプラットフォームを構築していくとした。
Ebatesのケビン・ジョンソンCEOは、当初はIPOを準備していたが、楽天からの提案を受けたと説明。楽天とは過去7年間パートナーとして事業を行ってきており、より大きなことが実現できると判断し、楽天とパートナーを組むことを決断したと語った。