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4.7インチ画面の「iPhone 6」と5.5インチの「iPhone 6 Plus」、9月19日発売

ウェアラブル端末「Apple Watch」、決済サービス「Apple Pay」も発表

 Appleは9日、iPhoneの新モデル「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を発表した。まず日本や北米、英国、ドイツ、シンガポールなどで9月19日に販売を開始する。日本での取り扱いキャリアは、ソフトバンクモバイル、au、NTTドコモの3社。また、Apple StoreでもSIMフリーモデルを販売する。Apple Storeでの価格(税別)は、iPhone 6が6万7800円から、iPhone 6 Plusが7万9800円から。9月12日より予約を受け付ける。

「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」は大きさ以外ほぼ共通仕様

 iPhone 6は画面サイズが4.7インチで、解像度は1334×750ドット。iPhone 6 Plusは5.5インチで、解像度は1920×1080ドット。Appleでは「Retina HD」ディスプレイと呼んでおり、これまでと比べて深い黒色など、より正確な色の再現と、デュアルドメインピクセルによる広視野角を実現している。

 iPhone 6は本体サイズが67.0×138.1×6.9mmで、重量が129g。iPhone 6 Plusは77.8×158.1×7.1mmで、172g。厚さ7.6mmのiPhone 5sと比べ、「著しく薄い」デザインになったとAppleでは表現する。一方、画面サイズなども考慮して幅は広くなっている。

 両モデルは画面および本体サイズ以外はほぼ共通の仕様で、ストレージ容量は16GB、64GB、128GBの3種類。カラーバリエーションは、ゴールド、シルバー、スペースグレーの3色。

パフォーマンスとエネルギー効率を両立させた新プロセッサ「A8」

 プロセッサにはAppleが新設計した「A8」を搭載。「第2世代の64bitデスクトップクラスアーキテクチャ」だとしており、CPUの処理速度は最大25%、グラフィック処理速度は最大50%向上。エネルギー効率も最大50%向上した結果、バッテリー寿命も「これまでより長持ちする」としている。

 また、iOS 8の新グラフィックス技術「Metal」により、iPhoneでコンソール機レベルの3Dゲームをプレイできるようになる。

 新設計のモーションコプロセッサ「M8」も搭載。相対高度を測定できる気圧計を新たに搭載。M8ではiOS 8のフィットネス系アプリと連動するため、1日の活動量や歩数、階段の登り降りなど、運動データをアプリで利用できるようになる。アプリ開発者はこのためにHealthKitやCoreMotion APIを利用できる。

 ネットワーク機能としては、LTEで下り最大150Mbpsのキャリアアグリゲーション、高品質通話のVoLTEに対応。無線LANは、IEEE 802.11acに対応した。

動画機能を大きく改良した「iSightカメラ」

 「iSightカメラ」は、特に動画機能の改良が大きい。タイムラプス動画撮影、60fpsの1080p HD動画撮影、240fpsのスローモーション撮影(720p)、連続オートフォーカス、高品質な動画手ぶれ補正に対応。また、iPhone 6 Plusにのみ、光学手ぶれ補正も搭載している。

 前面の「Facetime HDカメラ」は光量が81%増加。顔検出機能も改良されたほか、HDR写真と動画機能も向上している。

 なお、A8にはApple設計によるビデオエンコーダーと画像信号プロセッサを内蔵したため、より高感度の顔検出や連続オートフォーカス、ノイズ低減機能の強化が実現できたという。

ウェアラブル端末「Apple Watch」、決済サービス「Apple Pay」も発表

 Appleは、同社初のウェアラブル端末「Apple Watch」と、決済サービス「Apple Pay」も発表した。

 Apple Watchは、iPhone 6/6 Plusと連動する時計型のウェアラブル端末。腕時計の“リューズ”を各種操作に使用する、時計向けの新ユーザーインターフェイスが特徴だ。デザインを重視し、「Apple Watch」「Apple Watch Sport」「Apple Watch Editon」という3種類のシリーズで展開し、色や材質の異なる複数のストラップデザインを用意する。発売は2015年初頭で、米国での価格は349ドル。

 決済サービスの「Apple Pay」は、iPhone 6/6 Plusで利用できるモバイル決済サービス。iPhone 6/6 PlusではNFCにも対応しており、クレジットカードを登録しておけば、NFC、Touch IDを利用してワンタッチで支払い可能だ。Apple Watchとも連携できる。Apple Payは、iOS 8への無料アップデートとして、10月から米国内限定で提供される。

 iOS 8のリリース日も正式発表された。9月17日から無料ソフトウェアアップデートとして提供する。iPhone 4S以降、iPod touch第5世代以降、iPad 2以降、iPad miniに対応する。

 このほか、iCloudの新料金体系として、5GBが無料、20GBが月額100円、200GBが月額400円、500GBが月額1200円、1TBが月額2400円と発表された。

(青木 大我 taiga@scientist.com)