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「iOS 8」公開、新機能「iCloud Drive」に注意するよう開発者らが呼び掛け
(2014/9/18 10:00)
Appleは17日(米国時間)、予告通り、iOSの新バージョン「iOS 8」へのアップデートを提供開始した。
iOS 8では、MacとiOS製品を連携させるコンティニュイティが注目されるほか、メッセージアプリ、写真アプリの改良、サードパーティ製キーボードへの対応など、多数の新機能に注目が集まっている。Appleでは「これまでで最も大きなiOSのリリース」と説明している。
その一方で、新機能「iCloud Drive」の利用について、一部アプリの開発者らが注意を呼び掛けているほか、今回のアップデートに伴い、アプリと新機能の利用に際して問題が生じるケースが報告されている。
iCloud Driveは、Appleの新オンラインストレージサービスだ。iOS 8では新機能としてこれに対応しているが、Mac OSでは現時点で対応していない点に注意が必要だ。Mac OSでの対応は次期バージョン「OS X Yosemite」からで、今秋のリリースが予定されている。
人気ToDoアプリ「Clear」開発者のNik Fletcher氏はサポートページにおいて、「iCloud Driveにアップグレードすれば、あなたが同期できるのはiOS 8またはOS X Yosemiteを実行しているデバイスだけだ」と説明し、現行のOS X MavericksやiOS 7などのデバイスとは同期できないと指摘する。なお、開発者にはこれ以外の選択肢は用意されていないのだという。
iCloud Driveは、利用したい場合にはiCloudの設定画面からいつでも利用開始可能だ。そのため、現時点でiCloud Driveへのアップグレード確認画面が表示された場合には、利用しないことを強く推奨している。この件については、ノートアプリ「Notability」や日記アプリ「DayOne」など他のアプリ開発元も警告している。
また、アプリによってはiOS 8への互換性対応が遅れている場合もあり、「Dropbox」アプリで一時、機能の不具合が発生するトラブルもあった。
DropboxはiOS 8に対応していたが、iOS 8で写真の自動バックアップ機能に一時問題が発生したため、急きょアプリをアップデートした。そのため、バックアップが確実に完了したことを確認してから写真を削除するように注意を呼び掛けることとなった。なお、Dropboxでは現在、この問題は修正されたと発表している。
こうした問題が発生する場合があるため、iOS 8へのアップデートのタイミングは、使用しているアプリの対応状況を考慮して計画する必要もあるかもしれない。
iOS 8へのアップデートは、ワイヤレス(Wi-Fi)またはiTunes経由で行える。対象機種はiPhone 4S以降、iPod touch第5世代、iPad第2世代以降、iPad mini以降。なお、19日発売予定の「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」にはプリインストールされている。
ワイヤレスアップデートの場合、「設定」アプリから「一般」「ソフトウェアアップデート」を選択することでアップデートをダウンロードしてインストールできる。iTunes経由の場合、iTunes管理画面からアップデートを確認する。アップデートの容量は約1GB。特にワイヤレスアップデートの場合、回線速度やAppleサーバーの混雑具合に影響される可能性もある。バッテリーの残量にも注意が必要だ。