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リアルタイム自動通訳「Skype Translator」、人数限定の申し込みを開始

年末までにプレビューを開始、対応言語やプラットフォームの需要調査も兼ねる

 米Microsoft子会社のSkype Communicationsは3日、Skypeの音声によるリアルタイム通訳機能「Skype Translator」プレビュープログラムの申し込みを開始した。

 プレビュープログラムは「今年の終わりまでに開始予定」で、音声通話の通訳とインスタントメッセージの翻訳を行うことができる。

 参加可能人数は限られているため、希望者は早めに申し込む必要がある。また、申し込み手続きの中で、関心のある言語とプラットフォームについて尋ねられる。調査結果は「将来のリリースに役立てる」としており、回答内容によって提供言語やプラットフォームが変化する可能性もあるため、注意して回答する必要がありそうだ。なお、申し込みページは英語となっている。

 現時点で、プレビュープログラムが対応する言語は明らかになっていない。申し込み時に「関心のある言語」としてリストアップされているのは、アラビア語、中国語(広東語)、中国語(北京語)、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、その他となっており、このいずれかが提供されると推測できる。

 プレビュープログラムで対応するのは、Windows 8.1が動作するPCまたはタブレット端末に限定される。しかし、「普段利用しているプラットフォーム」の回答項目としては、Windows 8/8.1/10 preview、Windows 7/XP、Windows Phone 8/8.1、Android、iPhone/iPad、Macが挙げられているため、需要によってはこれらのプラットフォームに早めに移植される可能性もありそうだ。

 Skype Translatorは、今年5月にRe/codeが開催した「Code Conference」において、デモンストレーションをしたことで大きな話題となった。

 このデモンストレーションの様子は、動画で公開されている。英語とドイツ語のビデオ通話が自動的に通訳されていく様は圧巻だ。英語でマイクに話した内容が音声認識され、適切に翻訳され、相手にはドイツ語の音声で読み上げられる。相手もまた同様にドイツ語で話した言葉がこちらでは英語に通訳される。人間の通訳を必要とせずにコンピューターの通訳によってお互いの母語で話すことができる。デモンストレーションでは翻訳の間違いが頻発し、会場から笑いも起こった。しかし、言語という大きな壁を低くするための重要なツールになる可能性を皆が感じたことから、大きな注目を集めている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)