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48.5%が個人デバイスを業務に使用、そのうち41.2%は会社に認められていない状態のまま~Google調査
(2015/3/17 14:59)
Googleは17日、政府の「サイバーセキュリティ月間」に合わせて、BYOD(個人所有端末の業務利用)や、個人向けITサービスの企業内での利用状況についての調査結果を公表した。調査は2月27日~28日にウェブで行ったもので、対象者は20歳~59歳の会社員7030人。
個人で所有しているデバイス(携帯電話やPC)を業務に利用しているかという質問には、48.5%が利用していると回答。このうち、58.8%は会社から認められて利用しているが、41.2%は「会社が禁止している/ルールがない/分からない」状態のまま個人所有のデバイスを利用しているという。
業務利用している個人所有デバイス(複数回答)は、モバイル端末(携帯電話やタブレット)の58.6%が最も多く、次いでPC(ノート)が46.8%、PC(デスクトップ)が42.7%、USBメモリなどの外部記憶メディアが34.6%。
メールやオンラインストレージなどの個人向けITサービスを業務で利用しているかという質問にも、全体の23.9%が会社から認められていないITサービスを業務に利用していると回答。利用しているサービス(複数回答)は、Officeなどの文書等作成サービスが47.0%、ファイル共有が45.0%、メールサービスが33.4%などが多く挙げられた。
会社が具体的に禁止している個人デバイスやサービスの業務利用としては、「業務上の情報が入った外部記憶メディアの社外持ち出し」(45.9%)、「会社発行以外のメールに業務データを転送」(45.1%)、「個人のモバイル端末に業務データをダウンロードして使用」(31.3%)などが挙げられている。
Google for Workセールスエンジニアの橋口剛氏は、「企業のIT管理者からすると、セキュリティ的に危ない行動が多いという結果だが、こうした実態の背後には、新しいデバイスやサービスを利用して業務を効率化したいという社員のニーズを満たせていないことがある」とした。
企業が社員とデータを守るためには、実際に社員が業務にどのような端末やクラウドサービスを利用しているのかを把握することと、その現状を踏まえてセキュリティリスクの分析を行った上で、社員に向けたリスクや対策の啓蒙が必要だと説明。さらに、社員のニーズにあったツールを提供していくことも必要だとした。
Googleでは、2月25日に企業向けモバイル管理(MDM)プラットフォーム「Android for Work」を発表している。Android for Workを利用することで、Android端末内に「仕事用」の領域を作り、アプリやストレージ領域などを仕事用と個人用で完全に分離した形で利用できる。
仕事用のアプリに対しては、画面ショットの撮影禁止や、個人用アプリへのコピー&ペーストの禁止などの設定が可能。また、会社ごとに設定できる「Google Play for Work」により、配布したい仕事用アプリの設定も行える。
Android for Workは、現時点ではAndroid 5.0以降の端末を対象としているが、近日中にAndroid 4.0~4.4にも対応する予定。
SAPやCitrix、MobileIronといった企業向けモバイル管理(EMM)ベンダーが、Android for Workを利用した管理製品をリリースし、企業はそれらのサービスを利用する形となる。また、Google自身も企業向けサービス「Google Drive for Work」において、Android for Workの機能を利用した端末管理サービスを提供する。
橋口氏は、企業は社員の個人端末やITサービスの利用状況を把握した上で、ニーズに合わせたツールやサービスを提供するためには、デバイスやサービスの利用を企業側で管理できる製品の導入を検討してほしいとした。