INTERNET Watch 30周年
【2002年のINTERNET Watch】仁義なき「第二次ADSL戦争」突入!? ウイルスの話題も爆増の年
2026年3月16日 06:30
2002年の出来事
2002年(平成14年)には日韓共催によるサッカーW杯が行われた。また、小柴昌俊氏と田中耕一氏がノーベル賞をダブル受賞したことにも、日本中が湧いた。
そのような華やかなニュースの一方、国内ではデフレや「貸し剥がし」が深刻な問題となり、相次いだ「食品偽装」問題も話題になった。
国際的には、1月にジョージ・W・ブッシュ米大統領が一般教書演説にて北朝鮮・イラン・イラクの3国を「悪の枢軸」と呼び、翌2003年には米国を中心としたイラクへの軍事侵攻に至る。そうした中、この年9月に小泉純一郎首相と金正日国防委員長との日朝首脳会談が実現。日本人拉致被害者5名が帰国した。
2026年2月に30周年を迎えたINTERNET Watchは、1996年2月に有料メールマガジンとして創刊し、1997年1月にウェブサイトを開設した。ここでは2026年の視点から2002年の記事を10本取り上げ、当時を振り返る。
1. 下り最大12MbpsのADSLサービス、Yahoo!BBもNTT東西も発表
▶ヤフー、下り最大12MbpsのADSLサービスの詳細を発表~「イー・アクセスの小畑氏の言動は営業妨害に該当する」孫社長
▶NTT、最大12MbpsのADSLサービス「フレッツ・ADSL モア」を発表
2001年6月に下り最大8Mbps/上り最大900kbpsの「Yahoo!BB」を立ち上げたソフトバンクグループのビー・ビー・テクノロジー(BBT)が、8月に下り最大12Mbpsの「Yahoo!BB 12M」を発表した。
NTT東西は2000年12月に上り最大512kbps、下り最大1.5Mbpsの「フレッツ・ADSL」を開始していたが、2001年10月には下り最大8Mbpsのメニューを追加。この年の9月には下り最大12Mbpsとなる「フレッツ・ADSLモア」を発表した。
そのほかのサービスも次々と高速なADSLサービスを打ち出しており、7月には「第二次ADSL戦争勃発!?」という記事を公開し、8M超のADSLサービスを特集している。
2. この年“最悪のウイルス”は「Klez」
▶「2002年最悪のウィルスはKlez」、英Sophosが調査結果を発表
前年から目立ち始めたウイルス(マルウェア)の話題は、2002年に入って大幅に増えた。一例としては、URLに間違えやすいファイルを添付してくる「W32/MyParty@mm」、JPEGファイルを媒介として(実行ファイルとJPEGファイルの組み合わせにより)感染を広げる「W32/Perrun」など。「Gigger」はメールのほか「IRCを利用して自身のコピーを頒布するワーム活動」を行うという点に時代を感じさせる。
そうした中で「Klez」は、2002年終わりの各社が、この年最悪のウイルスとして名前を挙げており、感染報告数が最も多かった。Klezはさまざまな亜種を持つウイルスで、Microsoft Outlookなどでメールをプレビューするだけで感染し、PC内のファイルを破壊したり、ユーザーの個人情報を収集したりした上、メールを自動送信して感染を広げる。
3. IP電話に「050」の番号割り当てが決まる
▶今秋にもIP電話に「050」を割り当て~総務省がIP電話サービスに関する改正案を公表
IP網(インターネット)を利用して電話をかけるIP電話に対し、公衆電話網から発信できるようにするため、「050」で始まる電話番号を割り当てることを総務省が発表した。
この頃、通信サービスや通信デバイスを積極的に取り上げる「BroadBand Watch」(BB Watch)や携帯電話に関する話題を取り上げる「ケータイWatch」もある中で、INTERNET Watchは固定回線を中心とした業界動向的なニュースや、セキュリティなどのサービスやデバイスと直接関係しないニュースが多くなっていく。IP電話に関しても、各社のサービスが始まってからはBroadBand Watchで取り上げることが多くなっていて、2003年3月にはIP電話サービスの比較特集がBroadBand Watchに載っている。
4. 「住基ネット」が稼働開始
これまで自治体ごとにバラバラだった住民基本台帳の情報を標準化・ネットワーク化し、全国どこででも本人確認できるようにした住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)が、2002年8月5日に稼働を開始した。現在のマイナンバーカードの基盤ともなっているシステムだが、稼働前~稼働開始当時の評判は悪く、上記やじうまWatchの記事では郵送された住民票コードに関するトラブルが紹介されている。
INTERNET Watchでは、稼働開始前に実施されたシンポジウムのレポートや、翌2003年に発表された侵入テストの結果レポートも紹介している。
5. 総務省、Yahoo!BBの「回線にぎり問題」に改善指導
▶総務省、Yahoo!BBとNTT東西に対し業務改善指導文書を発出~Yahoo!BBには“回線にぎり”、NTTには工事期間の遵守について
総務省がYahoo!BBを提供するビー・ビー・テクノロジー(BBT)とNTT東西に、それぞれ回線指導を行ったというニュース。「回線にぎり問題」とは、利用者が解約の申し込みを行っても放置し、実際の契約解除を行わない(他社サービスに移転できないよう、回線をずっとYahoo!BBと契約した状態にしてしまう)問題のことで、2001年11月に掲載している「Yahoo!BBのエピソード募集」の記事では「総務省を通して再度YBBに解約を申し込んだ」などのエピソードも。
NTT東西に対しては、他の事業者の申し込み工事よりも自社サービスの工事を優先していないか調査すること、本人確認の仕組みを改善することを指導している。
6. ライブドア倒産、オン・ザ・エッヂが営業権を引き継ぐ
無料ISP事業を展開していたライブドアが10月に民事再生法を申請した。このとき、「ホリエモン」こと堀江貴文氏のオン・ザ・エッヂがライブドアの営業権を譲り受けた。
オン・ザ・エッヂは2003年に「ライブドア」に社名を変更する。
7. BluetoothがIEEEの標準規格として採択
▶BluetoothがIEEE標準規格「802.15.1」として採択される
マウスやヘッドホンなどの周辺機器の接続で使われる、近距離・低消費電力を特徴とする無線通信規格「Bluetooth」が、この年「IEEE 802.15.1」としてIEEE標準規格に採択された。Bluetoothはエリクソンが立ち上げ、1998年にインテル、モトローラ、ノキアなどが参加してBluetooth SIGが設立されて、多くの機器で採用が進んだ。
8. のどかなコミュニケーションサービス「ボトルメール」終了そして再開
当時リクルートが提供していたコミュニケーションサービス「ボトルメール」が1月サービス終了とのニュース。どこかの海岸にたどり着くことを期待して、ボトルに手紙を入れて海に流す、というボトルメールに見立てたもので、誰かの手紙が誰かのもとに届くという、非常にのどかなサービスだった。
2002年のINTERNET Watchでは、このサービスの動向を頻繁に追いかけており、同年4月には最初の開発者らのボランティアによる復活、9月には情報建築がサービスを正式再開したことを紹介している。
現在、ボトルメールはサービスを終了しているが、2006年にはブログパーツ化したこともあった。
9. AIBOもいる「情報家電モデルハウス」をJEITAが公開
▶JEITA、ホームネットワークと情報家電を備えたモデルハウスを公開
社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が「情報家電モデルハウス」、今でいう「スマートホーム」を公開したというニュース。ソニーのロボット犬「AIBO」の、丸っこいデザインの2001年モデルや、今では見る機会のなくなった「IEEE1394(i-Link)」など、懐かしい要素も紹介されている。
10. 顔文字「:-)」が発明から20周年を迎える
2002年9月20日は、IBMの研究者であるScott E. Fahlman氏が顔文字「:-)」を発明してから20周年、という記事。当時、カーネギーメロン大学でコンピュータ科学の研究に従事していたFahlman氏は、「ある人が掲示板に投稿した冗談や皮肉が、別の人にまじめに受け取られるという場合があり、誤解を防ぐための手段として思いついた」としている。

