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村上春樹作品、国内初の電子書籍化、「村上さんのところ」コンプリート版を今夏発売

 株式会社新潮社は30日、期間限定サイト「村上さんのところ」の単行本を7月下旬に発売すると発表した。あわせて、「コンプリート版」として電子書籍化することも明らかにした。

 「村上さんのところ」は、作家・村上春樹氏に対する読者からの質問・相談を募集し、本人がそれに回答するサイトとして1月に公開された。4月30日で回答の更新を終了しており、5月13日にはサイトの公開も終了するが、読者からの要望に応えて、そのやりとりを単行本化することにした。3カ月半の間に寄せられた質問・相談は3万7465通、村上氏が回答した質問は約3500通に上るという。

(写真はイメージ。実際とは異なる)

 単行本「村上さんのところ」(仮題)では、選りすぐりの400~500の質問・回答を収録する予定。予価は1300円(税別)。

 これに対してコンプリート版の電子書籍は、「紙の本に収録しきれないやりとりを“すべて”紹介することができないだろうか……」として、村上氏が思いついたものだという。これまで国内では村上春樹作品が一切電子書籍化されていなかったため、原稿用紙数千枚に及ぶ村上氏の回答をすべて収めた、日本で初の村上氏の電子書籍が誕生するとしている。

 電子書籍版は、スマートフォン/タブレット、PCをはじめとした主な電子書籍デバイスに対応。7月下旬~8月に配信開始予定で、希望小売価格は2000円(税別)。

 新潮社では、紙の本によるセレクト版と電子書籍によるコンプリート版、縦組みと横組みという2種類の編集で同時期に出版する試みにだとしている。

(永沢 茂)