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“地図から探す”に完全特化した「Bing不動産」提供開始、リクルート「SUUMO」とマイクロソフトが連携

 株式会社リクルート住まいカンパニー(SUUMO)と日本マイクロソフト株式会社は、ウェブの地図を利用した住宅・不動産情報検索サービス「Bing不動産」を提供開始した。

「Bing不動産」トップページ

 マイクロソフトの地図プラットフォーム「Bing Maps」の技術と、SUUMOが保有する住宅・不動産の物件情報を統合し、地図上に豊かな表現で物件情報を表現。ユーザーが地図を見ながら視覚的・直感的に物件を検索できる。対象としているのはSUUMOが保有する情報のうち、土地を除くすべての物件となる。

 Bing不動産では、地図上にピンの形式で物件情報を表示する。ユーザーは調べたいエリアをすばやく表示させて、候補物件の周辺環境や施設を確認できる。例えば、「コンビニから50m」の物件の所在位置が、国道を横断した反対車線側なのか、あるいはコンビニと物件が同じブロック内に位置しているかといった文字情報だけでは分からない情報を地図を使って得られる。

地図上に物件情報のピンを表示

 一般的な不動産・住宅情報サイトと同様に価格帯や面積、間取り、最寄り駅からの所要時間などによる絞り込みや、物件のクリッピングや一覧比較を行えるほか、地図上に表示された物件のみを対象とした絞り込みも行える。また、画面下部にある「物件検索スライダー」を使用することで、価格や専有面積などの条件を動的に変更させながら絞り込むこともできる。

物件検索スライダー
物件情報

 物件を探す際に気になる付加情報を、GISのように地図上に重ねて表示できる「オーバーレイ機能」もある。サービス開始時点では「用途地域」および「地価公示価格」のオーバーレイ表示を行える。今後は周辺地域の平均賃料をヒートマップとして表現する「賃料ヒートマップ機能」なども追加する予定だ。

オーバーレイ機能

 検索サービス「Bing検索」との連動機能も搭載。基本情報以外の情報を確認したい場合は、Bing不動産の検索窓からすばやくアクセスできる。物件の口コミ情報をBing検索で一覧表示することも可能だ。

 今後は、地図を主体とした特徴を生かした新しい物件探しの手法を提案していく予定。その第1弾として、物件検討の主要な意思決定者が複数いる場合に、さまざまな条件付けによって両者の“落としどころ”となりそうな候補物件を提示する「パワーバランス検索」(仮称)を2015年後半に実装する予定だ。この機能により、例えば共働き世帯で夫婦の勤務先が離れている場合に想定候補物件群を提示するといった使い方が可能となる。

 日本マイクロソフトの佐藤賢氏(アドバタイジング&オンライン統括本部 マーケティング部 部長)は25日に開催された記者説明会において、ほかの不動産情報サービスに対するBing不動産の強みとして、「他社でも地図を使った物件検索サービスを提供しているところはあるが、どちらかというと通常のリスト検索を補完する機能として提供しているものが多く、Bing不動産のように完全に“地図から探す”という機能に特化したサービスは他にはないと思う」と語った。

日本マイクロソフトの佐藤賢氏(アドバタイジング&オンライン統括本部 マーケティング部 部長)

 また、SUUMOの吉永恵一氏(ネットビジネス推進室 マーケティング部)は、「カスタマーが物件検索をする時に、合理的・論理的に条件を入力して絞り込んでいくというのも1つのやり方ではあるが、一方で、まだそこまで検討が進んでいない人もいる。カスタマーの物件検索に対するニーズは多様化、ファジー化しており、『Bing不動産』はそれに対応できるサービスだと考えている」とコメントした。

株式会社リクルート住まいカンパニーの吉永恵一氏(ネットビジネス推進室 マーケティング部)

 なお、Bing不動産の構築には、Bing Mapsの法人向けAPI「Bing Maps for Enterprise」が使われている。マイクロソフトは同APIについて、日本における本格的な拡販をスタートさせる方針で、日本語ウェブサイトを5月26日に開設する。今回のBing不動産は、同APIの日本での本格展開をアピールすることを目的としたものでもあり、同APIを使って具体的にどのようなサービスが実現できるのかを広く伝えることも狙いとしている。

「Bing Maps for Enterprise」日本語サイトが開設

 マイクロソフトコーポレーションの佐野健氏(Bingインターナショナルビジネスディベロップメント シニアビジネスディベロップメントマネージャー)は、Google Mapsなどの他社サービスに対する同APIの強みとして、「Bing Maps for Enterpriseは、マイクロソフトのボリュームライセンスでAPIを購入することが可能。日本ではマイクロソフトのライセンスを持っている企業が多いため、販売チャネルで強みになる。地図の品質については他のサービスと遜色はないと思っており、販売戦略で勝負をしていきたいと考えている」と語った。

マイクロソフトコーポレーションの佐野健氏(Bingインターナショナルビジネスディベロップメント シニアビジネスディベロップメントマネージャー)

(片岡 義明)