ニュース
日本の固定ブロードバンド回線、ダウンロードトラフィックが1年で1.5倍に、コンテンツのリッチ化とスマホ普及で
(2016/3/3 19:50)
総務省は2日、日本国内における固定回線のインターネットトラフィックを集計した結果を公表した。回線方式はFTTH、DSL、CATV、FWAの4種類で、インターネットイニシアティブ、NTTコミュニケーションズ、ケイ・オプティコム、KDDI、ソフトバンクの5社と共同で調査したもの。
国内のブロードバンド契約者の総ダウンロードトラフィックは、推定値で約5.4Tbps(2015年11月時点)で、前年同月比で52.8%増加。ここ数年でダウンロードトラフィックが急増しており、2013年11月~2015年11月の2年間で2倍以上に増加している。また、総アップロードトラフィックは1051Gbpsで、前年同月比で13.1%増。
1契約あたりのトラフィック量を見ても増加傾向は顕著で、2015年11月時点で約144.1kbpsと、前年同月比で46.9%増。アップロードは約27.9kbpsと、8.6%の増加となった。
データ量の急増は「コンテンツのリッチ化」によるものと推測される。YouTubeなどの動画サイトやVODサービスの普及が進み、フルHDや4K映像などデータ量の多い映像の視聴機会も増えている。また、スマートフォンなどモバイル回線のオフロード用途として固定回線の利用も多くなったほか、スマートフォン自体の高性能化・高解像度化により、やり取りされるデータ量が増加していることも影響していると思われる。
トラフィックの移動経路については、国外から国内への流入が前年同月比で14.6%増、一方で国内から国外への流出は10.6%の減少。トラフィック量では、流入量が流出量の3.4倍に達している。また、国内で交換されるトラフィック量は、国内への流入量を上回っている。
モバイル回線の総ダウンロードトラフィックは推定で1056Gbpsで、固定回線の5分の1程度。前年同月比で24.8%の増加で、固定回線のトラフィックと比較すると伸びは緩やかだ。また、アップロードの総トラフィックは推定で158Gbpsだった。