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京都府立図書館にカーリルの高速横断検索サービスが初導入

 京セラ丸善システムインテグレーション株式会社と株式会社カーリルは7日、京セラ丸善の公共図書館システム「ELCIELO」と高速横断検索サービス「カーリル Unitrad API」を連携したシステム共通基盤を京都府立図書館に導入したことを発表した。

 京セラ丸善では、2000年に開発された図書館システム機能「京都府図書館総合目録ネットワーク(通称:K-Libnet)」からのシステムの移行・拡充を担い、公共図書館向けのパッケージシステムであるELCIELOと、カーリル Unitrad APIを連携したシステムを、京都府立図書館に導入した。

 カーリルでは、図書館検索においてボトルネックとなっている横断検索システムの課題を解決する「カーリル Unitrad API」をこのほど新たに開発。今回の導入は、公立図書館への初の採用例となる。

 カーリル Unitrad APIは、オープンソースの図書館横断検索サービスで、JSON形式のRESTful APIがSaaS方式で提供される。XMLを排除することで、効率化と低コストを実現したという。検索の高速さに加え、従来の横断検索システムとの連携性にも優れるとのこと。

 カーリルでは、このAPIが国内図書館データベースのオープンデータ化(オープンAPI化)を促進する可能性があるとしており、全国の図書館サービスの発展のため、今回の協業による成果を広く公開するという。

 京都府立図書館によれば、今回のシステムの導入で、京都府内52の図書館蔵書を一括で検索した場合に、0.5秒以内での高速な蔵書検索が可能。このほか新聞のデジタル版、約50の事典や叢書、雑誌検索が可能な「ジャパンナレッジ」など、12のデータベースを利用可能になった。ウェブサイトもレスポンシブに対応した、より使いやすいものになったとのことだ。

「カーリル Unitrad API」を採用した京都府立図書館の図書館横断検索サービス

 カーリルでは今後、都道府県立図書館向けにカーリル Unitrad APIの特別移行支援プログラムを提供し、全国への普及を目指すとしている。

(岩崎 宰守)