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「Vivaldi 1.1」リリース、テッツナーCEOのブラウザー哲学を次々実装、都内でイベントも開催

 Vivaldi Technologiesは26日、ウェブブラウザー「Vivaldi」の新バージョン「1.1」をリリースした。前日の25日には、来日したOpera Softwareの元CEOでVivaldi共同創業者のヨン・フォン・テッツナー氏が出席するイベントも開催された。

 バージョン1.1では、タブを閉じた時に次にどのタブを表示するかの設定や、タブスタックでリンクを開く時に、スタック内で開くかどうかを選択可能になるなど、タブを閉じた時の操作に関する設定項目が追加された。

 また、Windows XP/VistaおよびMac OS X 10.6~10.8のサポートを終了した。採用しているChromeiumのバージョンを最新版の50へ更新したことの影響とみられる。さらにGoogleによるサポートへの懸念から、NPAPIプラグインが無効となった。Flash PlayerなどはPPAPI版を利用する必要がある。

 テッツナー氏は、1992年にOpera Softwareを創業、1994年に最初のOperaブラウザーをリリースするなど、経営した17年を「楽しかった。Opera softwareで成し遂げたことには誇りを感じている」と語った。

 OperaでCEOの職を辞した時には「新しいブラウザーの会社を作るとは考えていなかった」と言うが、この2年の間に、世の中には自分で使いたいと思うブラウザーがないこと、さらにOperaを使っていたユーザー向けのブラウザーがないことに気付いたという。

 そして「現在では、多くのブラウザーはシンプルな方向性で開発されており、ユーザーのためではなくプラットフォームの競争のために開発されている」と語り、ブラウザーの市場は実質的にプラットフォームの競争になっているとした。

 そうした状況の下、「ブラウザーの市場に対して新しいことができる」との考えから、かつてOpera日本オフィス代表を務めた富田龍起氏と2人で2年前にVivaldi Technologiesを創業した。

国内のユーザーコミュニティからは「てっちゃん」の愛称で親しまれるVivaldi Technologies CEOのヨン・フォン・テッツナー氏

 Vivaldiについて、「まず起動した時の見た目に注目してほしい」という。ウィンドウの色までをユーザーが自由にカスタマイズできることに触れつつ、ユーザーインターフェイスに関して、「ユーザー1人1人にこうあるべきという強い思いがある」とし、例えばタブを閉じた時の移動先のタブの設定などに代表される“細かい動作をすべて実現する”ことに注意を払って開発を行っているとした。

 その通り、Opera 12が有していたタブの表示位置を上下左右にカスタマイズできる機能をVivaldiには搭載するほか、近年のディスプレイの大型化/高解像度化に対応して「タブスタック」でグループ化したタブを並べて表示できる機能なども搭載。さらにマウスジェスチャーやキーボードショートカットのカスタマイズなども自由自在に設定できるユーザーの自由度の高さも魅力だ。

 「多くのタブを常に使うユーザーを主なターゲットに、どうすれば使いやすいかを徹底的に考えている。色だけでなく、ユーザーのニーズ合わせてブラウザーが変化するようなものを作りたい」と語った。

 今後はモバイル版の提供や、プレビュー版のころから予告されているメールクライアント機能の実装などに注力していくとのこと。今後も期待したい。

(岩崎 宰守)