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SNS全盛でもホームページは必要だよね? 無料サービスで今から始めるならこの3社

 Twitter、Facebook、そしてInstagramと、ネット界はまさにSNS全盛期を迎えている。見知らぬ誰かに何かをアピールしたい、目立ちたい――そういった欲求を満たすためのインフラとして、SNSは十分に機能している。その一方で、ちょっと踏み込んだ情報を伝えるためには、やはり個人であってもホームページがあったほうが便利だ。2017年の今、無料でホームページを開設するにはどこを選べばいいのか? サービスはそれこそ無数にあるが、今回は比較的後発となる3社に限定してご紹介する(それでもみな10年近い歴史を誇るが……)。

SNSは「看板」、ホームページは「店」~どっちが重要?

 SNSの利便性・楽しさは、誰もが認めるところだろう。何気なく投稿したペットの写真が、友達はおろか見知らぬ他人からも賞賛されるような体験を一度でもすれば、その快感でヤミツキになるのも当然だ。

 とはいえ、SNSも万能ではない。新人アイドルがTwitterで握手会やイベントの情報を告知するシーンをよく見かけるが、140字制限の中で日時・場所・参加条件をもれなく伝えるのは難しい。結局のところ、自分のブログだったり、イベント主催元の告知ページへ誘導しなければならない。その意味において、「看板」としてのSNSで人に注目してもらい、「店」たるホームページに人を招き入れるのは、王道なのだ。

 一般ユーザーでも同じだ。仮にTwitterのフォロワーが500人いたとして、それだけで完結させてはもったいない。自分のホームページを立ち上げておけば、検索エンジン経由でやってきたユーザーに自分のSNSアカウントを見つけてもらえるなど、いろいろな意味で広がりを期待できるだろう。

スマホの荒波も乗り越えて、今なお進化する無料サービス3社

 SNSのアカウントを登録できる程度のITリテラシーがあれば、ホームページの開設は特に難しいものではない。さまざまなサービスがあるので、どれか選び、メールアドレスやパスワードを登録する程度の手間でOKだ。

 例えば、HTMLやCSSといった記述言語に関する知識は、ほぼ完全に不要。全体の雰囲気を決めるためにテンプレートを選び、あとは文言や写真を差し替えればいい。そして当然、これらの編集作業がスマホから行える。

 それでは3社のサービスを見ていこう。いずれも、スマホやSNSの台頭を乗り越えてなお機能改善が続けられている。使いやすさの面では、プロバイダーの無料オプションサービスとは比べものにならない。

Jimdo(ジンドゥー)

https://jp.jimdo.com/
 ドイツ生まれのサービスで、運営会社が法人化したのは2007年のこと。日本展開にあたっては、株式会社KDDI ウェブコミュニケーションズと提携している。2015年には日本国内ユーザーによるサイト開設数が100万件を突破した。

 最初のユーザー登録後、どれか好みの「レイアウト」を選ぶだけで、数ページ分のウェブサイトがすでにネット公開された状態になっている。このあたりからしてもう、FTP転送によるホームページ更新の経験がある人にとっては驚きだろう。

 ページの編集についても、ほぼ実際の公開イメージを見ながら、見出しや文章を追加していける。PCからの編集であれば、画像をブラウザーへドラッグ&ドロップすることが可能。スマホ向けにもアプリが用意されている。なお、作ったサイト内にさらに別枠で「ブログ」を作れる。

「Jimdo」のウェブサイト
編集画面はいわゆるWYSIWYG。実際のウェブサイトとほぼ同様の画面を見ながら、文言などを入力できる

Wix

http://ja.wix.com/
 こちらは2006年設立。本社所在地はテルアビブ(イスラエル)。日本ではまだなじみが薄いが、編集画面やヘルプ記事など、主要な部分は日本語化されている。ただし、スマホアプリは英語表記のみなのが残念。

 選べるテンプレートが多く、初心者の場合はこの時点でもう迷ってしまうかも(白紙テンプレートを選んでも、さらに候補がある)。カスタマイズは後からでも可能なので、「人気テンプレート」「個人サイト」「ブログ」あたりから1つ選ぼう。

 カスタマイズ性は極めて高く、サイトのプレビューを見ながらページヘッダーの大きさをドラッグ&ドロップで調整することも可能。

「Wix」
編集画面

Tumblr

https://www.tumblr.com/
 2007年にサービスを開始。現在は米Yahoo!のもとで運営されている。Twitterとブログの中間的な機能を特徴としており、例えば他のTumblrユーザーをフォローして投稿をタイムライン表示できる一方、投稿の予約や下書き保存にも対応する。

 カスタマイズ性はかなり高い。そのためか、企業による利用も比較的多いようだ。独自ドメインと組み合わせれば、一般サイトとの区別はほとんどつかないほど。背景色やフォント指定はもちろん、HTMLの書き換えもできる。テーマ(テンプレート)は基本的に無料だが、有料のものを購入してもいい。

「Tumblr」の外観はかなりカスタマイズできる

本気で使うなら「手ごろな有料プランへ移行できるか」の確認を

 今回紹介した3サービスは、いずれも無料で利用できる。デジカメで撮影した高解像度画像を数百枚単位でアップロードするような使い方をしない限り、利用上の不自由はほとんどないはずだ。

 ただ、機能・操作面でのハードルは下がっているとはいえ、ホームページの運営には何より根気も重要だ。1カ月、半年、1年間更新できなかったからといってあまり気にせず、気長につきあっていこう。

 そうして長期運営が続いていく中で、いずれは「強制表示される広告がどうしても邪魔」「ドメインを自分や店の名前に関連したものにしたい」「やっぱりアクセス履歴が分からないと……」などの要望も出てくるかもしれない。それを見据え、有料プランへの移行をある程度視野に入れておきたい。今回紹介した中では、Jimdoが月額945円、Wixが月額841円のプレミアムプランに加入すると、広告が非表示となる。

 この3つの中からさらにオススメを絞り込むなら、Tumblrを挙げたい。簡単に使い始められ、それでいて後からでも高度なカスタマイズができる。JimdoとWixは「できることが多すぎて何からやっていいか分からない」と感じるかもしれないが、それを乗り越えたときの自由度は抜群だ。