特別企画
「やよいのクラウド版は安心して使える相棒」~白色申告・青色申告の双方を利用したユーザーに聞く
レールコンサルティングオフィス 宮崎克也代表
(2015/3/6 06:00)
会計ソフト「弥生シリーズ」が、「やよいの白色申告 オンライン」に続き、「やよいの青色申告 オンライン」をスタートした。申告作業は締め切りが決まっている上、誤りのない正確さが求められる作業だ。
パッケージでは長年トップシェアを獲得し、実績がある弥生シリーズだが、初めて登場したオンライン版(クラウドサービス版)は安心して使うことができるのか、不安に感じる人もいるのではないか。そこで、白色申告のクラウドサービス版から利用しているユーザーの声を聞いてみた。
果たして、クラウドサービス版はどうなのだろうか?
初めての確定申告に「白色申告 オンライン」利用を選択
本郷三丁目にあるコワーキング(Coworking)スペース、StudioGeeks。2013年に起業し、IT経営コンサルや業務プロセス改善などを業務とする、レールコンサルティングオフィスの宮崎克也代表は、このコワーキングスペースを拠点に仕事をしている。
「最初は自宅で仕事をしていたのですが、やはり自宅では集中して仕事をすることができません。そこで自宅からそう遠くない、このコワーキングスペースを拠点に仕事をするスタイルをとっています。ここで仕事をすることで、利用者同士で連携して新しい仕事に発展することもあって、自宅で仕事をしていくよりもプラスが大きいと感じています」。
宮崎氏は会計系のエンジニアとして仕事をした経験を持ち、経済産業省認定資格のITコーディネーターでもある。普通の人に比べればパソコンを使った申告作業を行う知識や、技術的素地は持っている。
しかし、「自分で確定申告をするのはやっぱり大変でした。確定申告のための準備としては、使った領収書を時系列でノートに貼って保存していた程度。それ以外の準備は全く行わず、初年度は3月になって、本当に確定申告の締め切りギリギリに作業を始めたくらいですから」と、自身の確定申告はかなりドタバタで行ったことを明かすした。
"毎月伝票処理をして決算に備える"といったことは、なかなか難しいのが実情のようである。
そんなバタバタの中、選択したのが、サービスを始めた直後だった「やよいの白色申告 オンライン」だった。
シンプルで使いやすいことが決め手
その理由を宮崎氏は、「最初はパッケージにしようかとも思ったのですが、製品を探している時にサービスがスタートするのを知って、使ってみようと考えました。画面がシンプルで、ボタンが少ない画面デザインを見て、これなら使いやすいと感じましたし、必要な時にはサポートを受けられることがわかっていたので、安心感もありました」と話す。
実は宮崎氏は、パッケージ版の弥生会計の導入支援を行った経験がある。だから、通常のユーザーに比べれば弥生製品との親和性はあった。
ただ、クラウドサービス版はサービスが始まったばかりの時期だったこともあって、使うのは初めて。しかも、3月からとかなりギリギリになって確定申告作業を始めたために、使いやすいものでなければ、申告を終わらせることができなくなる。こうした事情もあって、使いやすいものかどうか、慎重に見極めたという。
そんな宮崎氏が、画面を見て、これなら!と見込んで使い始めた「やよいの白色申告 オンライン」は、期待通り、使いやすいサービスだったそうだ。
「会社員時代にも確定申告をした経験はあったのですが、いざ事業を始めての確定申告となると、会社員当時とは入力しなければならない伝票の量も多くなります。事業開始初年度は、どこに仕訳をしたらよいのかわからない伝票もたくさんあって、とまどうことも多かったのですが、ヒントが出てくるので、それに従って操作していけばいい。決算書の最後の出口部分で少しまごまごしたものの、引っかかったのはそのくらいで、短期決算にもかかわらず、スムーズに作業を終えることができたと思います」。
また、「無料キャンペーン期間(編集注:2016年3月15日まで)でしたから、無料で利用できることはやはり魅力でしたね」と、コスト面も理由として挙げた。
弥生ブランドならではの信頼感がクラウドでも生きる
ただ、「やよいの白色申告オンライン」は、宮崎氏が初めて確定申告を行った2014年1月にサービスを開始したばかりだった。サービス開始間もないものを申告業務に利用することに、不安はなかったのだろうか?
「自分が使い始めた初年度は、先ほどお話ししたように、無料トライアルキャンペーンとして利用料無料で(セルフプランを)利用していました。新たに誕生したベンチャー企業が同様のサービスを提供しているのであれば、利用することに不安を感じたかもしれません。しかし、弥生はパッケージソフトの世界では大きな実績を持ち、特に業務ソフトの専業企業ですから、無料とはいえ、ユーザーをおろそかにすることはないだろうと思いました」と話す。
「業務ソフトの専業企業が、無料のクラウド版とはいえ、会計でユーザーを軽視するような施策をとったら命取りになりかねません。無料版とはいえ、慎重にサービスを提供してくれるだろうという読みがあって、このサービスを選択することにしたのです」。
サービスがダウンしていて使えないといった事態も、「一度だけログインできないことはありましたが、それ以外はほぼトラブルなしでした。順調だったと言っていいのではないでしょうか」というのが、実際にサービスを使っての率直な感想だ。
また、クラウドサービスに対しては、セキュリティ面での不安の声が挙がることが多い。「オンライン上にあるデータが流出するのではないか」という不安だ。特に会計のような、外部に流出することが望ましくないデータをクラウド上に保管することに対しては慎重な人も多く存在する。
これに対し宮崎氏は、「これは本業であるコンサルタントをしている時にも話すことですが、信頼できる事業者のクラウドサービスであれば、流出ということもないでしょうし、むしろバックアップを気にすることなく作業を進めることができます。ローカルにデータを持っているパッケージ版を使っている時の方が、『データのバックアップを取らずにトラブルが起こる』といったことが起こりやすいと思います。データが常に最新で、事故が起こりにくいのはクラウドの方です」と、クラウドは決して危険なものではないと説明する。
逆に、クラウドサービスではユーザー側がアップデートしなくても、常に最新のソフトを利用できる点がメリットとされている。こうした特徴は「やよいの白色申告 オンライン」も同様だったそうで、「修正もひんぱんにありましたし、完成度は高かった。サービス提供初年度で、使ったこともないものですから、(利用前には)『どうかな?』と思ったこともありましたが、実際にはきびきび動きましたし、問題ありませんでした」。
「もともとソフトウェアエンジニアですから、新しいもの好きで、常に最新製品を使いたいとは思っています。だから、常に最新のソフトウェアを利用することができるクラウドサービスには魅力を感じます」。
青色申告版登場で迷わず新サービスを利用
それだけに2014年10月に「やよいの青色申告 オンライン」が登場した際には、迷わずにサービスを使うことを決定した。
「初年度は白色申告でしたが、2014年には税務署に届けを出して青色申告を行うことになりました。青色申告のオンライン版が提供されることは、白色申告 オンライン時代からユーザー向けにはアナウンスされていました。自分が起業した年に白色申告オンラインが登場し、さらに青色申告の届けを出した年に青色申告版がスタートするとあって、自分のためのサービスじゃないかと感じました(笑)」。
2015年の青色申告作業は、「さすがに去年のような3月になって突然始めるということはしないようにしていますが、やはり年明けになってから、本番は3月の作業ですね」と宮崎氏は笑う。
なお、自身の事業については、「今後は事業を拡大し、法人化したいとも考えています。弥生さんでは、法人版会計のオンラインサービスも予定されているということなので、ぜひ、自分の事業同様、サービスも拡大していってもらえば」という。
宮崎氏は実際に2年間サービスを利用し、弥生が提供するオンラインサービスは安心して使える相棒になると判断。継続して利用していく意向だ。今後も自身の事業拡大に合わせるように、弥生のサービス拡充に期待しているようだ。