特別企画
ITへの不信感を払拭するには? 中小企業の真の悩みに対峙するテックウインドの取り組み
(2015/5/22 06:00)
ITへの“不信感”を払拭したい
「アフターフォローしてくれるはずだったのに……」「症状のヒアリングに一時間もかけて、結局、来てくれない……」。
「中小企業に積もり積もったITへの不信感は根深い」。テックウインド株式会社 営業本部 第一営業部 部長の柳沼敦仁氏は、そう嘆く。
「今や業務にPCは欠かせない時代です。そんな状況の中、セキュリティや業務効率向上といったITにかかわる課題を抱えている中小企業が非常に多い」と柳沼氏は説明する。
しかしながら、中小の現場で、なかなかIT化が進まなかったり、導入済みの機器が時代遅れになっても放置されてきたことには、それなりの深い理由があるという。
「多くの場合、課題は理解していても技術系の部門が社内になかったり、担当者がいないことでサーバーなどのIT製品を活用したくても、できないといった状況ですが、それに加えて、過去に失敗した苦いIT導入の経験を引きずっている場合も珍しくありません」と柳沼氏は語る。
企業の抱える課題解決策の一貫として、同社の製品を中小企業に提案してきた柳沼氏は、訪問先の企業で、何度も、冒頭で挙げた中小企業の経営者やIT担当者の悩みと共に、「お宅も同じなんでしょう」という言葉を投げかけられてきた。
最終的に大手SIerとの競合になると、どれだけ具体的な提案をしたとしても、価格で逆転されることがある。
しかし、それと同時に、過去にそういった大手を選んだ中小企業の多くが、その決断を後悔している状況も、柳沼氏は目の当たりにしてきた。その悩みをじかに受け止める立場であるだけに、そのことが心底くやしい。
中小企業が抱えている課題は何で、それを解決するためにどうすればいいのかを提案することはもちろんだが、さらに大きな課題は、すっかり中小企業の間に根付いてしまったITへの「不信感」をいかに払拭していくかにあることは明らかと言えるだろう。
サーバーの導入からスタート
では、このような課題を解決するために、同社では具体的にどのような取り組みをしているのだろうか?
同社が主に扱う製品は、「NOWing Server」というブランドで展開する中小企業向けのコンパクトキューブ型サーバーだ。Windows Server 2012 R2 Essentialsを搭載し、25名以下の環境でのアカウント管理やセキュリティ設定を含めたファイル共有、クライアントのバックアップ、リモートアクセスなどの機能を手軽に利用することが可能となっている。
これまでの導入事例は、「これまで手書きで書類を作成していたような企業から、すでにNASやサーバーを利用している企業まで」(柳沼氏)と幅広いが、最近、目立つのは間もなくサポートが終了するWindows Server 2003搭載のサーバーや古いNASからの移行だという。
テックウインド株式会社 営業本部 第一営業部 パートナーセールスグループの嶋田秀人氏は、次のように現状のニーズを語る。
「すでにNASなどを導入されている中小企業の中には、市販されている簡易的な製品を業務に使っていたり、ファイル共有だけできればいいということでセキュリティ設定がされていないケースが見られます。その結果、人事や経理など、本来、きちんとアクセス権を設定して管理すべきデータが、全社員に公開されている場合があります」(嶋田氏)。
情報漏えいなどのニュースが世間を騒がす中、企業の経営者やIT担当者もセキュリティに対する意識を持ってはいるものの、前述したような例で、導入後にSIerに問い合わせても設定がわからなかったり、多額の見積もりを見てあきらめるなどした結果、それが放置されてきたことになる。
とは言え、こういったケースの導入は決して簡単ではない。柳沼氏は、「8割方のお客さまは”サーバー”と聞いただけで引かれてしまいます。このため、導入の段階で、『これだったらイケる』とお客さまに思っていただけるような工夫をしています」と言う。
具体的には、同社が定期的に各地で開催しているセミナーでサーバーのメリットや具体的な使い方を紹介したり、約60ページにも及ぶ「かんたんセットアップマニュアル」を同社で作成して配布している。
中身を見ると、A4版の大きな判型に、写真や画面を中心に解説された市販本にも劣らぬ完成度の冊子で、サーバーセットアップの全体的な流れから、ネットワーク接続に関するトラブル解決方法に至るまで、非常に細かく配慮された構成となっている。
“バックアップの方法は記載があるがリストアの方法がない”
わかりにくい解説書を皮肉るときによく耳にする笑い話だが、当然、同社が配布する冊子には問題が発生したときのサーバーやクライアントのリストア方法まで丁寧に解説されている。
嶋田氏によると「お客さまが最初に迷われるのは、導入から動くようになるまでです。何をどうすればいいのかを明確にするために、この冊子を用意しました。もちろん、運用開始後の疑問やトラブルもあると思いますが、それは当社のサポートに問い合わせていただいたり、これまでに蓄積したQ&A集で解決してもらえるような体制にしています」とのことだ。
もちろん、他社でサーバーを購入しても同じようなサポートを受けることは可能かもしれない。しかし、導入前の相談や導入時のフォロー、導入後のサポートなどを誰の立場で提供しているのか、そのスタンスにはメーカーによって違いがあるうえ、場合によっては手厚いサポートを受けるために長い時間と多額のコストが避けられない場合もある。
柳沼氏によると、「他社のサーバーをご利用中のお客さまの声として、『サポートを受けるまでの敷居が高い』というものがあります。電話をかけてもなかなか話が通じなかったり、来てもらうまでにとても苦労して、途中で『もういいや』とあきらめてしまう方もいます。もちろん、われわれの対応も100点とは言えないかもしれませんが、少なくとも、現状、多くのお客さまが感じられてきた不満のいくつかは、確実に解消していただけるような体制を整えてきました」とのことだ。
テックウインドの特徴は、このように、企業として向いている方向が常に顧客方向である点と言えそうだ。
実際、同社には企業としての生産性を向上させたいという漠然としたニーズが飛び込んでくることも少なくない。「当社では、サーバーだけでなく、クライアントPC『NOWing PC Pelliot』やタブレットの『CLIDE 9』など、複数のソリューションを自社ブランドで用意しています。お客さまのニーズによって、これらのソリューションを組み合わせて提案させていただくこともできるうえ、何より、すべてのサポートを一元化することで、アフターサポートもスムーズにできるようになっています(柳沼氏)」という。
サポートのたらい回しやメーカー間の責任の押し付け合い、というのは誰もが一度は経験がある嫌な思い出の1つだ。それをトータルソリューションで解消できるのも、テックウインドのメリットと言えるだろう。
Windows Server 2003サポート終了への対応も
現在の時期を考えると、NASからの移行のほかに、Windows Server 2003のサポート終了に伴っての移行もありそうだが、そういった対応も可能なのだろうか?
嶋田氏によると、「駆け込みの問い合わせも少なくありませんが、当社では、あらかじめご提出いただいたユーザーリストから、ユーザー登録済みでサーバーを出荷していますので、手間なく、短期間でサーバーの入れ替えも可能になっています」とのことだ。
また、嶋田氏によると、環境の事前テストにも対応可能だと言う。Windows Server 2003を利用中の企業の中には、その環境でのみ動くように作り込まれた独自の業務アプリケーションを利用しているケースも少なくない。そういった業務アプリケーションが、Windows Server 2012 R2上でも問題なく動作するかどうかを確認するために、事前にNOWing Serverを貸し出すことも可能となっている。
Windows Server 2003からの移行を検討中の場合は、このようなサービスの利用も検討すべきだろう。
なお、嶋田氏によると、すでにWindows Server 2003からの移行をサポートした企業の多くから、その価格に驚く声が多く寄せられているという。
「かつて2003を導入された企業では、数十万円、場合によってはさらに多くの費用をかけてサーバーを導入したり、必要かどうかわからないようなサーバールームまで用意させられたケースもありました。また、よくわからないCAL(クライアント・アクセス・ライセンス)に納得しきれないまま費用を支払っていたり、保守費用として、毎月、多額の費用を支払い続けているケースも少なくありません。こういった方々は、口々に、『そんなに安くていいの?』とNOWing Serverの価格とサービス内容に驚かれる方も多くいらっしゃいます」とのことだ。
10年一昔ではないが、当時のサーバーの比べると製品価格は数分の一程度で済むのはもちろんだが、おそらくWindows Server 2003の導入時はSIerの言いなりで決済していたのだろう。当時は、それが当たり前だったのも確かだが、これを見直すいいきっかけがテックウインドによって与えられたと言えそうだ。
クラウドに“うんざり”の中小企業も
このほか、テックウインドでは、サーバーやPC、タブレットだけでなく、クラウドサービスの導入の相談にも対応してくれるという。
しかし、柳沼氏はクラウドの導入を無理強いしないと言う。
「正直、お客さまの中には、クラウドに“うんざり”されている方も少なくありません。クラウドサービスの場合、そのしくみやメリット、つまりサービス側を起点として説明される機会がほとんどです。お客さま側からしてみれば、大切なのは、自社の課題を解決することなので、クラウドありきでの提案はしません。課題をヒアリングして、結果、クラウドが解決策が適切だと判断すれば、提案するというスタイルにしています」という。
例えば、Office 365のようなサービスであれば、同社のCLIDE 9などのタブレットと組み合わせた用途に適している。あくまでも、顧客の課題をベースにするというスタイルは、「クラウド」に対して疑問を持っている中小企業の経営者や担当者には、心強い味方と言えるだろう。
既存顧客からの評価が物語るテックウインドのサービス品質
以上、テックウインド株式会社の柳沼氏と嶋田氏に、同社の中小企業に対する取り組みを聞いたが、あくまでも現場主義、徹底的に顧客視点というスタイルに感心させられた。
実際、同社のソリューションを導入した企業からは、事前のヒアリングの丁寧さ、わかりやすいマニュアル、そして導入後のサポートに高い評価が与えられており、業界内でもスムーズな導入や移行に定評がある企業となっている。
これからサーバーやPC、タブレットなどの導入を考えている中小企業は、相談してみるといいだろう。
なお、そんなテックウインドが、6月25日に大阪で最新IT機器活用による販売力強化セミナーを開催する。同社が取り扱う製品を一堂に展示すると同時に、各製品やソリューションに関してのセミナーを開催する大規模なイベントとなっている。
具体的なソリューションを求めている企業はもちろんのこと、安心していろいろなことを相談できるパートナーを探している企業は、ぜひ参加してみることをおすすめする。