【特集】

年度末企画 「あのサービスは今?」

 インターネット業界の流れは速い。その速さは、通常の1年が数年分に相当するからドッグイヤー、いや十数年分にも相当するからマウスイヤーなどと呼ばれる点からも感じられる。しかし最近、華々しいデビューを飾っていたのに、いつのまにか見当たらなくなってしまったサービスも目に付くようになってきた。ここでは1999〜2000年度の本誌記事に登場したものから、気になるサービス・事業のその後を追ってみよう。さて、アナタは「まだ頑張っていたんだ!」と感心するか、それとも「これ、あったねえ……」と懐かしがるか?

●縮小・変更・移管したサービス


 まずは名前が変わったり、運営元が変わったサービスから。突然終了するサービスが多いなか、形が変わっても続けているだけ良いともいえるのだが……。なお記事中の◆印の部分は、本誌で取り上げた時の記事とリンクしている。

■「e-sekai」
http://www.e-sekai.com/
 音楽からクルマにお宝アイテムまで、幅広いコンテンツと買い物が楽しめることをテーマに1999年9月に開設したオンラインショッピングサイト。縮小して書籍やソフトが主体のショッピングサイト「arcs」に統合された。現在は「e-sekai」コーナーのビバヒルグッズやプーチなどにその名残が感じられる。
◆アスキーイーシー、コンテンツ・検索・ショッピングを統合したサービスを開始

■「イーズ・ミュージック」
http://www.esmusic.co.jp/
 ミュージシャンの向谷実氏を代表取締役副社長に招き、音楽配信サービスを行なうとして話題を呼んだ。しかし、実際の事業開始は諸事情によって延期。現在、具体的な事業展開は白紙に近い状態という。
◆ソフトバンクと向谷実氏ら、音楽配信サービスの新会社「イーズ・ミュージック」設立

■「Jside」
http://www.jside.com/
 巨泉CMでおなじみJside。すでに本誌記事でも触れたように、3月よりコミュニティサイトのエムスタにサービスを移管している。移管後も「Jside」のサイトは健在だが、今後は地域コミュニティに方向を変えていく方向だ。
◆大々的な宣伝活動の後、真価が問われる、ジェイサイド・ドット・コム

■「スタイルクリック」
http://www.styleclick.co.jp/
 バーチャル試着機能が売りのファッションECサイト。目玉のバーチャル試着とオンラインショッピングはわずか2ヶ月で終了し、現在はキャラクターブランドを紹介するコンテンツのみが残っている。
◆“バーチャル試着”ができるファッションサイトが登場

■「インターネットラジオ」
http://ccweb.mediagalaxy.ne.jp/
http://ssweb.ne.jp/
 俳優や作家による文芸作品の朗読を配信するサービス。1999年春に開始し、同年秋には「エスエスウェッブ」という名前でリニューアル。現在は朗読の有料配信も行なっている。
◆文芸作品の朗読をインターネットで配信

■「Hitmail」
http://www.hitmail.net/
http://www.deskwing.net/
 クレイフィッシュが展開していた中小企業向けホスティングサービス。その後光通信の「HIT'S One」も吸収し、現在は「DeskWing」としてサービスを展開中だ。
◆クレイフィッシュ、中小企業向けにグループウェアやECのホスティングサービス開始

■「YOSHIKI.NET」
http://www.yoshiki.net/
 あのYOSHIKIのオリジナルコンテンツを独占配信という触れ込みで話題を呼んだ。初回限定の1万8,000円の豪華スターターキットは完売したものの、昨年からコンテンツが更新されていない模様。現在Webデザイナーを交代して、新コンテンツを鋭意作成中だという。
◆元X-JAPANのYOSHIKIが有料コンテンツサービスを夏に開始

●3月いっぱいで終了するサービス


 年度末には清算がなにかと付き物。事前に終了を表明しているサービスも、時期はこの3月に集中している。

■「teleparc」
http://teleparc.com/
http://teleparc.com/about/tp010307.htm (重要なお知らせ)
 ゲームやレジャーなど、エンターテインメント情報サイトとして1995年から運営していた「teleparc」が3月いっぱいで終了。これだけのボリュームを持つサイトが終了するのはあまり例がないのでは。3月19日からスペシャル企画「geisen感謝企画」がスタートする。

■「BizOffi」
http://bizoffi.toshiba.co.jp/
http://bizoffi.toshiba.co.jp/bizoffi/info/closeinfo.html (サービス終了のお知らせ)
 2000年1月にスタートしたビジネスマン・ウーマン向けのポータルサイトは、3月29日で終了する。終了のお知らせページでは、「BizOffi」で提供していたWebメールの退会方法を説明しているので、ユーザー登録している人は見逃さないように。

■「YYplanet」
http://www.yyplanet.com/
http://www.yyplanet.com/info.php (運営中止のお知らせ)
 1997年から運営の海外情報コミュニティサイト。15万人以上の会員を有したここも3月いっぱいで運営を中止。一部のコンテンツは親会社のリクルート「ISIZE」に引き継がれる。

■「あちゃらゲート」
http://www.acaragate.com/
http://www.acaragate.com/thanks/user/index.html (サービス終了について )
 2000年3月から開始したiモード向け検索サービスも3月終了を表明。特徴でもある「あちゃらコード」がiモードの公式サイト「Pocket ISIZE」からも使えるため、立場が苦しかった?

■「ヤマハサイバーミュージックシティ」
http://www.cmc.yamaha.co.jp/
 2000年初頭から開設のインターネット上の音楽教室サービス。もっとも、開始当初から2001年3月末で終了することを表明していたが。

●終わったサービス、終わっている「らしい」サービス


 その終了がニュースとして報道された事業から、気がつけばサイトのURLからアクセスできなくなって、どうやら終わっているらしいと推測するしかないものまで、終了の仕方もさまざまだ。「終わり方」にも企業の誠意は現れると思うのだが、いかがなものだろうか。前半に本誌でもその終了を取り上げたサービス、後半は現在アクセス不可能な点からサービスを中断、終了していると思われるサービスをまとめてみた。

■「ランドネットDD」
http://www.randnetdd.co.jp/
 任天堂とリクルートの合弁会社を設立して開始した、ゲーム機利用のインターネット接続・コンテンツサービス。ソフト開発の遅れと次世代機との登場などの影響を受け、2001年2月でサービスを停止した。
◆NINTENDO64利用のネットワーク接続サービス「ランドネット」が終了へ

■「プライスライン」
http://www.commerce.softbank.co.jp/press/001208.htm
 始まる前に終わってしまったサービスと言えるのがこれ。米国の逆オークションサイト「Priceline.com」の日本版を設立する予定だったが、米国本体の事業悪化で立ち消えになってしまった。
◆ソフトバンク・イーコマース、米Priceline.comとの交渉を打ち切り、新会社解散へ

■「Dragon Gate」
http://www.dragon-g.com/
 秋元康氏のプロデュースと豪華講師陣で話題を呼んだ、クリエイター養成のオンラインスクール。2000年8月の開設から2001年2月の終了まで、わずか7ヶ月の命とは……。
◆秋元康とCSKによるインターネットスクール「Dragon Gate」が休止へ

■「ValueNet」
http://www.valuenet.ne.jp/ (現在はアクセスできず)
 2000年2月より開始した無料インターネット接続サービス。同10月にZEROに引き継がれる形でサービスを停止したが、そのZEROも先ごろサービスの有料化を発表。無料インターネット接続サービスの受難は続く?
◆無料インターネットのValueNetがサービス停止――会員をZEROが引き継ぐ

■「boook.com」
http://www.boook.com/ (現在はアクセスできず)
 ユーザーがWebサイトをレイティングすることで、充実したサイトを集積するコミュニティつくりを狙っていたが、2001年1月にサービス休止。開始は2000年6月で、サービス期間は8ヶ月弱だ。

■「Gooey」
http://www.gooey.com/ (現在はアクセスできず)
http://www.isize.com/gooey/
 おなじWebページを見ている人とコミュニケーションできるメッセージングソフトとして注目されたが、運営元企業の買収に伴い、2000年8月にサービスを終了。リクルート「ISIZE」で提供していた「ISIZE Gooey」もサービスを停止。

■「MY-TRADE」
http://www.my-trade.com/ (現在はアクセスできず)
 PCや周辺機器をメインとしたネットオークションサイト。一時はかなりの人気だったが、「Yahoo!オークション」などの後発組に押されて2000年10月に撤退。

■「AllAdvantage」
http://www.alladvantage.ne.jp/
 「ViewBar」という専用ソフトを使い「Webサイトの閲覧だけで賞金がもらえる」サービスとして人気だったが、日本法人を設立して数ヵ月後の2001年1月にサービスを終了。

■「37fashon.com」「8cafe.com」
http://www.37fashion.com/ (現在はアクセスできず)
http://www.8cafe.com/
 アジアコンテントドットコムの女性向けサービス2サイト。どちらも2000年夏の開始だが、2001年1月にはサービスを停止している。

■「なぜはらうドットコム」
http://www.nazeharau.com/ (現在はアクセスできず)
 2000年4月に「6月から無料インターネット接続サービスを開始する」と発表したが、その後サービス開始を2000年秋に延期し、結局立ち消えになってしまった。事前登録を行なった読者からの、「何の連絡もなく不安を感じる」という投稿で明らかになった。

■「iPPee!」
http://www.ippee.com/ (現在はアクセスできず)
 ここから先は現在サイトへアクセス不能なことから、サービスを終了・中断している可能性が高いものだ。音楽コミュニティサイトとして2000年7月に開設されたが、2001年2月前後からアクセス不能に。ユーザーへは一部サービス終了の通知は届いたが、サイトの終了は通知されていない。

■「このゆびドットコム」
http://www.konoyubi.com/ (現在はアクセスできず)
 共同購入サービスとして2000年6月に開始したが、現在アクセス不能に。

■「Campus-j」
http://www.campus-j.com/ (現在はアクセスできず)
 学生向けに無料のホームページ作成・グループウェア機能を提供するサービスとして2000年5月に開始。現在はアクセス不能。

■「STARTDASH.COM」
http://www.startdash.com/ (現在はアクセスできず)
 オンラインブックマークサービスの先行的存在として2000年5月に登場。現在はアクセス不能。

■「e-アニメショップ・ドット・コム」
http://www.e-animeshop.com/ (現在はアクセスできず)
 北米で日本のアニメキャラクターグッズを販売するサービスとして、JCイタショーが2000年4月に開設。現在はアクセスできず。

●着々と進行中の既発表サービス


 さて、終わったりなくなったりしたサービスばかりではない。積極的にPRこそしていないものの、着々と準備を進めたり、開始しているサービスもある。長く続くように、見守っていきたいものばかりだ。

■「ワイヤレスインターネットサービス」
http://www.wis.ne.jp/
 いよいよ正式なサービス開始が目前となったスピードネット(3月17日号の記事参照)。無線インターネットといえば、マンションやビルなどの建物に基地局を置いて展開しようというこの会社も参入を表明している。こちらは4月からのサービス開始を予定している。
◆無線インターネットを月額3,900円で

■「PlayOnline」
http://www.playonline.com/
 スクウェアがECに本格的に参入ということで、発表時は大きな話題となった「PlayOnline」は、開始時期の延期を発表している。現状では「今年の秋から冬」という開始予定時期以外はノーコメントだ。
◆スクウェア、2001年にeコマースに参入

■「日本マルチペイメントネットワーク推進協議会」
http://210.136.159.23/
 電気、ガスなどの公共料金を、オンラインバンキングなどの手段で即時支払いができるサービスを目指している。今年後半から来年にかけて、本格的サービスを開始する予定だ。
◆公共料金の払い込み、インターネットでいつでも可能に

■「インターネットエアコン『e−@ir』(イーエア)」
http://www.mhi.co.jp/news/sec1/000824.html
 三菱重工業の「ビーバーエアコン」シリーズに登場した、インターネット対応エアコン。売上げはどうかと期待していたら、昨年12月に実際の出荷が始まったばかりで、これから夏にかけてが商戦の本番ということで、出荷台数などはまだ不明とのことだった。帰宅途中にiモードからエアコンのスイッチオン、は常識になれるか?
◆三菱重工、ネットから操作可能なエアコン新製品

■「ミックスキューブ」
http://www.mixcube.com/
 デジキューブと三和銀行など14社が共同出資した合弁会社で、コンビニ設置端末での多機能サービスを表明していた。3月8日より都内のコンビニ2店舗で実験サービスを開始しており、今後ファミレスのジョナサンや、カー用品のオートバックスへ設置を拡大する方向だ。
◆デジキューブ、三和銀行ら14社、現金出金も可能なコンビニ設置型端末を展開

●「終わらない」ことがベストだが……


 以上、32のサービスについてまとめてみた。今回改めて感じたのは、最近とみにサービスの休止や終了という言葉を耳にすることだ。米国ではPETS.COMやeToysといった大規模なサービスでも、突然の活動停止や破産に向かうケースが頻出している。日本でもその傾向は徐々に出てきているのではないだろうか。現に1ヶ月前まで運営していたサービスが、突然消えているといった状況も出始めている。またここには登場していないが、サービス開始を発表したあと、サイトが開設された形跡がないものもいくつか見受けられた。

 資金繰りの悪化や広告収入の減少など、サービスを終了させる理由はそれぞれあるだろう。ただ、終わることが珍しくなくなってきた現在、その終わらせ方にも神経を使うべきではないか。特にコミュニティやショッピングなどの機能を持ったサービスの場合、ある日いきなりサイトにアクセスできなくなって、それっきり復活しないのでは、サイトのサービスを利用するために個人情報を提供(登録)したユーザーは不安を感じるだろう。今後はサービス開始の告知だけでなく、終了する場合の事前・事後の告知や、ユーザーへのデメリットをできるだけ防いだ形での終わらせ方を目指すといった配慮も必要になってくるのではと感じた。

(2001/3/19)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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