社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)の主催によるITとエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2003」が7日、千葉県千葉市の幕張メッセで開幕した。4回目の開催となる今年は、「ユビキタス・コミュニティー、次へ始動!」がテーマ。667社/団体が出展するほか、136セッションのコンファレンスも行なわれる。会期は11日までで、当日入場料は一般1,000円、学生500円となっている。
初日の7日には、ソニー取締役代表執行役会長兼グループCEOの出井伸之氏が、IT戦略本部メンバーとしての立場で「e-Japan戦略II~日本がネットワーク社会をリードする~」と題した特別講演を行なった。
出井氏は、e-Japan戦略に「IPv6」という言葉を盛り込もうとした際に、当時の森喜朗首相からIPv6についての説明を求められ、「(意味はともかく)首相がIPv6と言ったということが歴史に残るから」と説得したエピソードなどを紹介。しかしその一方で、ブロードバンド加入世帯が着実に増加しているグラフを示しながら、「(ITをイットと読んだなどと言われて)からかわれているが、担ぎ甲斐のある首相だった」と振り返り、e-Japan戦略の意義を強調した。
|
ソニー取締役代表執行役会長兼グループCEOの出井伸之氏
|
次に出井氏は、小泉政権に入ってからのIT戦略本部の取り組みとして、今年7月にとりまとめられた「e-Japan戦略II」を紹介。このe-Japan戦略の第2フェーズでは、第1フェーズで整備した通信基盤の上にサービスやアプリケーションのレイヤーを整備することを目標として、ITを利活用すべき先導的分野として「医療」「食」「生活」「中小企業金融」「知」「就労・労働」「行政サービス」を挙げている。出井氏は、これら7分野で「新しいスタイルのビジネスモデル」が出現してくることに期待を寄せているという。
なお、CEATEC JAPAN 2003のテーマともなっている「ユビキタス」について出井氏は、「ユビキタスが来るまでには、もう一歩ある。決してハードだけの社会ではできない。生活も変わってくる」として、2005年もしくは2010年に「転移点が来る」との考えを示した。
関連情報
■URL
CEATEC JAPAN 2003
http://www.ceatec.com/
CEATEC JAPAN 2003 特別講演
http://www.ceatec.com/ja/2003/visitor/conf_spsp.html
IT戦略本部
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/index.html
( 永沢 茂 )
2003/10/07 17:45
- ページの先頭へ-
|