「CEATEC JAPAN 2003」の富士通ブースでは、手のひらの静脈を利用した非接触型認証技術が参考出展されている。
手のひら静脈認証技術は、富士通研究所が開発したバイオメトリクス認証技術の1つで、手のひらの静脈パターンで個人を識別するというもの。手のひらの静脈パターンは胎内で決まり、成長に従って大きさこそ変わるものの、経年変化がないという。右手と左手でも異なる。また、静脈中の還元ヘモグロビンに対する近赤外光の反応により識別を行なうため、例えば静脈パターンを模して絵を描いてセンサーにかざしたとしても反応しない。
手を固定して撮影した実験では、10~70代、年齢・性別を問わず約700名を集めて実験を行なった結果、99%以上を認識し、他人受入率は0.07%以下だったという。富士通ではすでにセンサーを開発済みで、携帯電話への組み込み可能な大きさまで小型化するのにも成功しているという。会場では、実際にセンサーによる認証を体験することができる。
同社では、「手のひらの静脈を利用した認証技術は、指紋認証などと比較すると、まだまだ認知度が低い。今後は、入室管理や住基システムなどのさまざまな分野へ導入すべく、開発や啓蒙活動を行なっていきたい」としている。
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手のひら静脈認証が成功したところ。左に手のひらの静脈が黒く写っているのがわかる
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手のひら静脈認証技術の概要
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関連情報
■URL
CEATEC JAPAN 2003
http://www.ceatec.com/ja/2003/
富士通研究所
http://www.labs.fujitsu.com/
( 大津 心 )
2003/10/07 19:19
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