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デンソーウェーブ自動認識事業部主幹の柴田彰氏
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7日、「CETEC JAPAN 2003」の特別セッションで、JEITAの自動認識及びデータ取得技術標準化委員会委員長などを務めるデンソーウェーブ自動認識事業部主幹の柴田彰氏が、RFIDの国際標準化状況についての講演を行なった。自動認識及びデータ取得技術(AIDC技術)とは、「人間の介在なしにモノを特定する方法、技術」のことで、バーコード(リニアシンボル)や2次元シンボルがすでに標準化されており、今後、RFIDも標準化が進められることになる。
柴田氏によれば、RFIDがこれだけ話題になっている理由について、「9.11の影響がかなりある」と指摘する。すなわち、流通の効率化だけでなく、商品のトレーサビリティ確立によりセキュリティを確保する施策を、米国防総省などが国策として推進している背景があるという。
そのような状況の中、ID体系の規格について複数の提案があることに関連して柴田氏は、Auto-IDとユビキタスIDの違いについて、「どういうセキュリティソフトをかますのか」程度だと説明。一方で、ユビキタスIDが日本の規格であるという点に触れ、「国際性ということから見て、どう対応するのか? 米国に対応しないと言われたとき、どう対応するのか?」と述べ、国際標準であることの重要性を強調した。
米国では大手量販店での導入に止まらず、2005年からは米軍が納入品にタグを付けることを義務化することが見込まれるという。柴田氏は、「(米国がRFIDの実用化に向けて)それだけ強い力で動いていることを認識すべき」としている。
柴田氏はまた、家庭においてあらゆるモノが無線LANで接続される状態が現実的かなど、RFIDにおけるネットワーク接続がどのレベルまで必要かという点について「あまり検討されていない。ユビキタスコンピューティングという言葉だけ踊っている」と指摘した。
関連情報
■URL
CETEC JAPAN 2003 特別セッション
http://www.ceatec.com/ja/2003/visitor/conf_sps.html
関連記事:オートIDセンター日本拠点、慶應SFC内に開設
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0122/autoid.htm
関連記事:坂村健教授、「ユビキタスIDとAuto-IDは方向性が違う」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2003/09/17/482.html
( 永沢 茂 )
2003/10/07 20:03
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