NTTフォトニクス研究所の先端光エレクトロニクス研究部は、超高速光パケットを扱う「フォトニックRAM」を展示した。従来の光バッファメモリでは光パケットを光のまま扱うため、伝搬時間を遅延する機能しかなかったが、フォトニックRAMでは「光と電気のいいところを融合」したことで、自由な読み書きと長時間の保持が可能になっている。
具体的には、40Gbpsの超高速光シリアル入力を低速光パラレル信号に変換し、これを電気信号としてCMOS RAMに保持。読み出し時には、これを超高速光シリアル信号に変換して出力する仕組みだ。フォトニクス研究所では、「全光シリアル-パラレル変換器」「フォトニックパラレル-シリアル変換器」「単一光クロック発生器」という3つのユニットを開発し、310×260×130mm(幅×奥行×高さ)というコンパクトなプロトタイプに実装。会場で動態展示を行なっている。従来は、高さが2mにも及ぶサイズが必要だったという。
フォトニックRAMは、将来のネットワークの大容量化を支える、光パケットスイッチのキーテクノロジーとして期待されている。自由に読み書きできるということで、光パケットのバッファや衝突回避、ラベル処理、ビットレート変換が可能になる。また、将来はルーティングも担えるよう、複数入力/複数出力への対応も進める計画だ。
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A4サイズ程度の設置面積を実現したフォトニックRAMのプロトタイプ
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全光シリアル-パラレル変換器
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フォトニックパラレル-シリアル変換器
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単一光クロック発生器
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関連情報
■URL
NTTフォトニクス研究所
http://www.phlab.ecl.ntt.co.jp/
( 永沢 茂 )
2003/10/29 19:17
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