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マイクロソフト最高技術責任者古川享氏
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マイクロソフトは30日、プログラミングやWeb制作、ゲーム制作などに興味を持つ学生を対象としたイベント「The Student Day」を都内で開催した。
イベントの冒頭では、米Microsoftバイスプレジテント兼マイクロソフト執行役員の古川享氏による特別講演が行なわれた。講演は学生対象ということもあり、まず古川氏自身の学生時代について、大学受験に失敗した後にPCに興味を持って渡米したといった経歴が語られた。
続いて、PCがスタンドアロンで動作していた時代から、クライアント・サーバー環境を経て、Webの登場以降はサーバーとクライアントが協調して動作する形態に移行してきたというこれまでのPC環境の流れを踏まえて、次にマイクロソフトが考えるコンピュータ環境の未来像として「シームレス・コンピューティング」を挙げた。
例として上映されたビデオでは、世界各地のスタッフが連絡を取り合う際に、PCやPDA、携帯電話といった機器の違いを気にすることなく、会話やボイスメールのやりとりを行なえる環境を紹介。また、ビデオ会議の参加者それぞれの発言を個別に記録し確認できるシステムや、人間の様々な表情を1枚の写真から合成する技術など、コミュニケーションに関するマイクロソフトの研究開発成果などが紹介された。
古川氏は「日々、テクノロジーを通して人々の生活を豊かにする方法を見出している。それは、まだ始まったばかりだ」というビル・ゲイツの発言を引用し、シームレス・コンピューティングは単にどこでもコンピュータが使えるということではなく、人々のコミュニケーションをさらに円滑にするものだと語った。
ゲストとして登壇したビジュアリストの手塚眞氏とは、作品を作る上での心構えや技術によるコミュニケーションの変化がもたらす効果などについて語った。また、古川氏は講演の最後に、今後は社会的なインフラとして「信頼されるコンピューティング環境」を提供していかなければならないとし、アクセシビリティやセキュリティ対策を最重要課題として取り組んでいくと結んだ。
イベントではこのほか、学生を対象とした世界規模のコンテスト「Imagine Cup」のソフトウェアデザイン部門の日本最終予選が行なわれ、7月にブラジルで開催される世界大会の日本代表が選出された。また、VPNアプリケーション「SoftEther」を開発した筑波大学の登大遊氏が特別ゲストとして招かれ、登氏からは4月1日付けでSoftEtherを社名とした会社組織を発足させることが公表された。
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次世代の環境として挙げられた「シームレス・コンピューティング」
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古川氏の講演ではゲストとして手塚眞氏が登壇
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関連情報
■URL
The Student Day
http://www.student-day.jp/
関連記事:VPN構築ソフト「SoftEther」関連記事インデックス
http://internet.watch.impress.co.jp/static/index/2004/03/04/softether.htm
( 三柳英樹 )
2004/03/30 18:13
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